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        WORKING FISHERMAN Vol.04

        濱野水産 湘南丸浜野 展行

        本格的に漁師になったのは24歳の時でした。主にする漁はシラス漁です。シラスの漁期は、3.11から12月末まで。
        シラスっていっても、サバとかアジみたいに、油がのっているのってないというのがあって。大きいのもいれば、小さいのもいるし、食べてるプランクトンによって、味も変ります。旨いのは4月〜5月で、春シラスと言われるシラスは格別に旨いです。
        秋しらすっていうのもいて、旬は9〜10月。でもやっぱり春のほうが旨いですね。

        シラスって暗いと敵に襲われる心配がないので、夜は群れが散らばっているんです。日が昇って明るくなってくると、外敵におそわれないように群れを作るんです。
        そうすると魚群探知機に映る、漁はその群れをみながら行います。
        うちのお店は朝9時からはじまるし、江ノ島界隈はシラスを食べれる飲食店が多いから、一回目はなるべく早い時間に船から下ろします。
        下ろした後はうちのお店で生シラス用はそのままパック詰めして、釜揚げシラスは釜でゆでて、という加工をします。
        その間も船は稼働していて、シラスが多くとれた日はお昼くらいまで漁は続きます。
        お店で販売するシラスも本当に旨いものを出したいし、大量のシラスを扱うけど、半端なものは売りたくないというか。
        うちじゃなきゃだめ、濱野さんのとこがいいって来てくれるお客さんも多いので、そういうお客さんを大事にしながら味のレベルをもっと上げていきたいですね。

        シラス漁をしている船はうちの他にもう何艘かいるんですが、海の上では戦いなんですよね。
        昔はまだGPSとか魚群探知機とかがない時代は如何に海のことを知っているというかがポイントだったみたいです。

        海って全部が砂地じゃなくて、海底には見えない磯があったりするし、水深何mに岩があるとか、あの建物と富士山の位置関係で地形を憶えていたりとか、海のコンディションによっての対処法だったりとかいろいろわかってるんですよね。
        そういうのってやっぱり何回も経験しないとわからないんですよね。

        海のことをわかっていれば海の上での戦いにも勝てる。沢山シラスが取れたらかっこいいじゃないですか。
        いずれは地元の海を誰よりも知る漁師になりたいですね。

        今は父が船頭を務めています。
        自分の番になった時にすぐやれるように準備しておきたいし、僕には二人の息子がいるので、もしどちらかが継いでくれるなら、その時に船も店もいい状態にしておきたいなと思いますね。
        そういうモチベーションになれるのも、親がつくってきたものがそう思わせるからだと思います。
        自分が生まれ育ったこの海や船や店を、いい形で次の世代につないでいけるようにしたいですね。

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