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WORKING FISHERMAN Vol.08

広島県・江田島柴倉 孝之

広島市からフェリーで南へ約30分。広島湾に浮かぶ瀬戸内海で4番目の大きさを誇る島・江田島は、標高400mほどの小高い山々や穏やかな瀬戸内海に囲まれ、島を一周できる「かきしま海道」は人気のサイクリングコースとして注目されている。また、明治期に東京・築地より海軍兵学校が移転して以来、旧海軍の歴史と深い関係のある島として知られる。
柴倉孝之さんは、2015年、結婚を機に江田島に移住し、電気工事の仕事から一転、漁師の道へ。1年間の研修後独立し、柴倉鮮魚を開業。2017年より獲れた魚の船上販売をはじめ、島での人気を集めている。

「10代後半のとき、音楽好きが高じてよくライブイベントを主催していて、そこで当時歌手だった妻と出会いました。その後、広島市内で、本業では電気工事の仕事をしつつ、彼女のレコーディングやライブツアーに同行するマネージャーとして活動を共にしていました。
10年ほど活動した後、結婚や彼女の妊娠を機に、長年の夢だった漁師に挑戦するなら今しかないと思い、漁師の道へ進むことにしました。それを決断した大きなきっかけは、東日本大震災でした。街での仕事や暮らしは楽しかった反面、窮屈さを感じていて、震災以降、街を離れて海の近くで暮らしたいという気持ちがますます強くなって。それで、豊かな自然があって、子育てにも適した環境がある江田島に移住することにしたんです。

新規漁業就業者支援事業の制度を使って、師匠の漁師に付いて研修をしました。この地域では、30時間連続で漁をするのが特徴で、昼に出航してから次の日の夕方に漁を終えて、市場で卸して港に帰ってくるというスタイル。一年後に独立しましたが、このやり方では思うように魚が獲れず、体力ばかりがなくなって。また、夏場になると水温が高くなるので、せっかく獲れた魚も大量に死んでしまうし、かといって氷締めした魚は市場でも値段が付かない。30時間も海に出ないといけないのに、お金にならない。子どももいるのに生活するためにどうしよう、という不安でパニックに陥ってしまって。やることすべてが思い通りにいかず、このままでは漁師は続かないと思っていました。

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