釣り針が刺さっても防水性を備える
表透湿ラミネート素材
BACKGROUND
1877年。HELLY HANSENブランドが始まったきっかけは、漁師や商船の船乗りに向けたオイルスキンのコートでした。以来、漁師から林業従業者、油田作業員、工事現場の作業員まで。幅広いワーカーたちを支えるウエアを作り続けていた中、1924年に「LINOX」と呼ばれる新素材を開発しました。
当時の防水技術として主流であったオイルスキン素材はその性能が高く評価される一方で重く、また水を弾くために表面にはオイルならではのベトつきが残りました。
ところがこの「LINOX」は防水性もさることながら軽く、特有のベトつきもなく、かつ上品な光沢感も漂っていた。
そのため、当時のワークウエアとして多くのワーカーに愛されたと同時に、その余波はワーカー以外にも波及し、カジュアルウエアの市場でも人気を博しました。
そして以降30年以上にわたり、HELLY HANSENの象徴的な素材としてベストセラーを続けました。
DEVELOPMENT
そんな歴史的なLINOX素材が、現代の技術により"LINOX+"として生まれ変わりました。
2年の歳月をかけて誕生したHELLY HANSENオリジナルである本素材は、防水性の高さはそのままに、透湿性・耐針性・汚れづらさが従来のものよりも優れています。
TOPIC
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透湿性
いわゆる"ゴム引き"といわれるようなフィッシャーマンコートやワークウェアの多くは、生地に防水性を持たせるため表側にラバー素材を張り合わせていましたが、"重くて蒸れる"というデメリットがあります。 そこで今回開発したLINOX+では、透湿性がある軽量の表メンブレン素材を用いることで、「耐水圧:10,000mm」「透湿2,000g/m²・24h」という防水性と透湿性の両立を実現。高い防水性はそのままに、快適なパフォーマンスを可能にします。
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耐針性
漁業に携わる方が着用される一般的なフィッシングウェアは、汚れが付着しても落ちやすいよう表側に分厚い防水膜を配置しております。しかし、そのことが衣服内の"蒸れ"を生み出す原因にもなっています。
今回開発したLINOX+は、特殊な防水膜を表側へと施し、表面の防汚性を維持しながらも蒸れを軽減する透湿性も備えるよう独自にアップデート。
また、釣り針など鋭利なものが生地表面に当たることで生じるピンホールを防ぐよう、耐針性も持たせた特殊な膜を採用しています。動きによる不快感を軽減し、耐久性も備え、そして汚れにも強い、全く新しいコンセプトの防水素材です。
DETAIL
100年近く前、革新的なアイテムとした登場したLINOX。
ワークウエアから始まり、一躍カジュアルウエアとしても若者の定番品として認知された本アイテムのリニューアルは、"外観はクラシックながら素材は機能的"といった、よくあるような懐古主義的なフレーズとはまた異なります。
シルエットはテクニカルになりすぎないよう、身幅大き目のドルマンスリーブの仕様。
縫製も雨に濡れやすい肩まわりなどはウェルダーと呼ばれる、縫製をしないで生地を溶かしながら貼り合わせてゆく、90年代初頭に画期的だった溶着技術を施しています。
膝下の丈感や着脱しやすいドットボタンなど、伝統と歴史に裏打ちされた本アイテムをより機能的に昇華させたエクスクルーシブな1着へと仕上がっています。
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ウェルダー溶着仕様
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フロントとフードのスナップボタン
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背面のベンチレーション
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着脱可能なフード