UTMF&STY出場ショップスタッフ
トレイルランニングとウエアを語る(後編)

前編では、ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)やSTY に出場したショップスタッフとして、
レースやウエアについて語ってくれたTHE NORTH FACE 原宿店の葛西副店長、
THE NORTH FACE FLIGHT TOKYO の鵜野店長、NEUTRALWORKS.TOKYOの佐々木さん。
後編では、引き続きトレイルランニングの魅力やこのスポーツへの想いを聞きました。

こんなに辛いのに何が楽しいんだろうと思いながら、楽しくてしょうがない。

鵜野 私は装備さえ揃えばすぐにでも始められて、しかも遊びの要素に満ちていることがトレイルランニングの魅力だと思っています。反面、少ない荷物で薄着で高低差のある山を走るスポーツなので結構リスキーな面もある。UTMFは44kmに短縮されていなければ160km以上の距離を走る過酷なレースですよね。布団で眠れないし、お風呂も入れない。正直、レース前にはその過酷さを目の前に絶望感を抱いているくらい(苦笑)
葛西 私はスタートした直後から「あと何km残っているか」ばかり考えてしまいます。それでもレースに出たいのは、自分の場合、「主役」になっている気分になれるからです。まったく知らない人ががんばれと応援してくれたり、そういう声援をすごい魅力に感じています。
佐々木 わかります。応援されると、そこだけスピードアップしたり(笑)自分はレースの順位よりも完走することを重視していて、あとは休憩所で出るおいしいものをいっぱい食べることを楽しみにしています。
鵜野 私の場合は、達成感かもしれない。達成するテーマは何でもいいんですが、小さくても目標を成し遂げたことが快感になっている気がします。でも、結局山に入るとこんなに辛い思いをして何が楽しいんだろうと感じながら、楽しくてしょうがなくて走っているから不思議なスポーツですよ。
佐々木 魅力の核心を言葉にするのが、本当に難しい。なのに、抜け出せないほどはまってしまうんですよね。

トレイルランナーでありショップスタッフでもあるからできること。

葛西 自分はまだSTYにしか出たことがないので、UTFMに出場することを一番の目標にしているのですが、おふたりは何か取り組みたいことありますか?
佐々木 ここ2年のUTFMはまともに完走できていないので、まずは完走が目標です。その前に、一度ウルトラマラソンに出てみるなどロードで鍛えようと思っています。
鵜野 自分はロードの練習は苦手で、月に3回ほど山で練習します。練習といっても遊びに行っているだけで、結果的に練習になっている感じ(笑)あとはやはりショップから情報発信する立場として、トレイルランニングの魅力を多くの人に知ってほしいですね。レースがどれだけ辛くても、きれいな自然の景色を見たら苦しいのなんてふっとんでしまう。そんな感覚を味わってほしいです。
佐々木 レースに出ると知り合いが増えるのも面白いですよ。連絡先を交換するわけじゃないんですが、全国から集まっているはずなのに、レースのたびに会う人がいるのが楽しいです。
葛西 トレイルランナーが増えているとは言え、まだ競技人口が多いとは言えないことも関係しているかもしれませんね。
鵜野 山のスポーツとしては日本ではやっと浸透してきた段階ですから、もっと市民権を得るためにできることを考えていきたい。それは、自分たちショップスタッフの役割でもあると思っています。

心は気軽に、でも装備はしっかりと、
トレイルランニングを楽しんでほしい。

鵜野 トレイルランニングが登山の方々にも受け入れられて、お互いがストレスなく楽しむためにはやっぱりマナーや気づかいが大切なのではないですかね。私は歩いている方を驚かせたり、自分勝手に走っていると思われないように登山の方々を後ろから抜くときは必要以上に話しかけています。もともとの性格のせいでもありますが(苦笑)
佐々木 マナーという意味では、やはり山に入る以上はしっかりとした装備でトレイルランニングを楽しんでほしいですね。自分の身の安全は、自分で確保するのも大切なマナーですから。
葛西 逆に言うと装備さえすれば、本当にすぐに楽しめる遊びなんです。光電子のような薄いけれどあたたかさが見込めるベースレイヤーとカットソーを重ねれば、天候の良い日はそれだけで走れます。ただ、休憩のときとか運動量が落ちたときは冷えを感じると思うので光電子入りのダウンなどあたたかいアウターを用意しておきたいですね。
鵜野 最後に雨風をしのぐ防水防風のウエアがあれば十分だと思います。トレイルランニングに興味を持った方は誰でも、ぜひ、気軽にショップに来てどんどん聞いていただきたいです。
葛西 トレイルランニングの楽しさにはまった私たちだからこそお話しできることがきっとあるはずですから。