カーボン技術における積み重ねた経験と専門的技術によって、現在スコットがカーボンフレームの第一人者であると言えよう。
進行中の開発プロジェクトにおいて、スコットの技術者は絶えず既存の開発と製造プロセスを改良すべく新しい方法を模索している。
それにより、更なる革新的で魅力ある製品が誕生し続けている。
2003年、CR1(Carbon Racing No.1)の登場とともに、カーボンフレームの時代が幕を明けた。
現在、特許を取得しているIMP(Integrated Molding Process)カーボンテクノロジーはスコットの到達技術水準である。すべてのカーボンフレームに対する飽くなき挑戦は、このIMP製法が基準となり様々なカーボン繊維素材と融合することで具現化されている。
カーボンフレームの特性として必ずしも硬いフレームが最良ではない。スコットでは、「しなやかさ」・「軽さ」・「剛性」 の3要素が絶えず相互的に作用するという考えのもと東レ製の最高品質カーボンを選択、さらに異なる複数のカーボン素材をフレーム各部分の特性に合わせて高次元で組み合わせ、他の追随を許さない独自のカーボンフレームを生み出している。
その高品質カーボンの称号が“HMX” と“HMF”。スコットのカーボンテクノロジーは、次世代の「コンビネーション」へ進化している。
強度30tの高品質カーボンをベースにSCOTT独自のコンビネーション技術で「しなやかさ」・「軽さ」・「剛性」において理想水準のバランスを有するカーボン素材。
 
強度50tの高品質カーボンをベースにSCOTT独自のコンビネーション技術で弾性を更に強化。フレーム剛性を約20%アップさせた最高水準のバランスを有するカーボン素材。
新開発のSDSシステムは路面からの振動を最小限にして、パフォーマンスの低下を防止し、路面と垂直方向の硬度と横方向のねじれ剛性の完璧なまでのバランスを、リアトライアングルとフロントフォークに実現した。

フレーム設計に於いて、垂直方向(縦方向)の硬度(硬さ)は路面からの振動に大きく影響して、走行安定性と快適性に支障をきたす。また、側面硬度(横方向の硬さ)はゴールスプリント等のペダルライディング時の加速や登りに大きく影響してくる。

垂直硬度と側面硬度の完璧なバランスに於ける3つの要因。
1、フレーム全体の硬度(硬さ)。これは、サイズ・形状そしてチューブの厚みに影響される。
2、繊維の選択と織り方。これは、カーボン構造の硬度に大きな影響を与える。
3、全体のフレームジオメトリーとデザイン。

これらの要因を複合的に分析し、研究開発されたチューブ構造がSDSショックダンピングシステムであり、
新しくなったCR1に搭載されたテクノロジーである。
 
快適性を確保するチューブ設計
横方向のねじれ剛性の確保と、垂直方向からの振動吸収性を最大限に高める事が特徴である。
我々が開発した独自のチューブ形状は、チェーンステイ・シートステイ及びフロントフォークの構造と形状を変更することから始まった。そして、S-ベンドSDS(ショックダンピングシステム)を実現する。
形状の研究
機械センサーの活用で基本的な形状のコンセプトを組み立てた。
屈曲曲線とねじれモーメントは全くの別物である。

その後、徹底的に解析され、部分ごとに最適化されたチューブ形状と寸法がはじき出された。
シミュレーション
路面と縦方向の硬度を減少させても、横方向のねじれ剛性は保たれたままである。
NEW CR1の構造組織
カーボンチューブは、水平方向(力伝達性)と垂直方向(快適性)の両方の働きをしなくてはならない。カーボン繊維のエキスパートであるスコットは、繊維の選択・配置方向・繊維数とその織り方の組み合わせにより、独自の構造開発に成功した。
振動吸収に理想的なカーボンの積層構造
硬いフレームを作る事は簡単な事だが、スコットのSDSは必要な硬度(硬さ)・軽量化そして快適性を併せ持つフレームである。SDSは、ロードライディングに必要な
パフォーマンスを損なう事無く振動吸収性を兼ね備えた究極のテクノロジーである。
“SCOTT Team TTプロジェクト”はパーツ供給スポンサーであるシマノとの共同開発プロジェクトである。
2008年にスタートしたプロジェクトは原型となるPLASMAを検証し、改良を繰り返した。そして2009年チームコロンビアHTCに供給出来た事は、さらなる開発のための絶好の機会となった。性能スペックから始まり、空気力学に基づくCADによる設計と分析。そして風洞実験から検証されるデータをベースに反復して行われるパーツの改良と比較走行によって“PLASMA TT Project BIKE”はその姿を現すことになる。
この車両はあくまでもスコットのプロトタイプであり、このプロジェクトから得られた様々な情報を、スコットのロードバイクへフィードバックして行くためのコンセプトバイクであることを付け加えておきたい。