THE NORTH FACE MY FIRST TRAIL RUNNING

はじめてのトレイルランニング

トレイルランニングはもともと、
長く山を楽しむために生まれた遊びです。
レースに挑戦するといった楽しみ方もありますが、
はじめは自然の中にただ身を置き、
不整地を駆け抜ける感覚だけを味わってみてください。
スピードにこだわる必要はありません。
山に入る目的は、茶屋でおいしいものを食べるため、
心身をリセットするため、
絶景を眺めるためだっていいのです。
その手段として
トレイルランニングを選んでみませんか?

THE NORTH FACEがお届けするMY FIRST SERIESは、
女性が楽しめる山遊びを提案します。

Step 1まずはテーマを考えよう

冒険気分を味わう

周りに誰もいないトレイルで走る足をふと止めてみると、乱れた自分の呼吸だけが静かに森のなかに響きわたります。その瞬間はその場所を独り占めしているような贅沢な気持ちと、身体が自然の一部に溶け込んでいるような感覚が入り混じり、ちょっぴりドキドキするものです。この道の先にはどんな生き物がいるのだろう、どんな植物が咲いているのだろう。そんなことを想像しながら進むと、冒険心がかきたてられます。

体力をつける

日常生活を快適に過ごすにために体力をつけたい、だから山を走る。これも立派な目的です。未舗装路のトレイルは足元が不安定な状態なので、一定のペースで走ることができるロードよりも多く筋肉に刺激が入ります。平地よりも上り坂の方が心臓をつかうので、持久力がつきます。走った距離や時間をメモに記録して、それをどんどん蓄えていけば「これだけやった」という達成感も得られます。運動不足にサヨナラしませんか。

お気に入りのスポットを探す

トレイルランニングは、ゆっくり歩くトレッキングよりも限られた時間のなかで移動できる距離が増えます。つまり、短時間でより多くの風景を目にすることができるということ。山ではほんの数十メートル進むだけで景色がガラリと変わることもあります。「ちょっとそこまで行ってみよう」とフットワーク軽く動けるのも身軽さゆえ。登山道から離れると危険ですが、地図にはないビュースポットを自分の足で探すのはワクワクします。

茶屋の名物を食べる

自分でご飯を作って食べるという山の楽しみ方もありますが、トレイルランニングはできるだけ最小限の荷物に抑えたいので基本的に調理器具を持ち歩くことはしません。ただし山上の茶屋を利用すれば、トレイルランナーも食べる楽しさが広がります。関東近郊の低山にある名物といえば、城山に建つ『城山茶屋』の特大かき氷、金時山『金時茶屋』のきのこ汁、鍋割山『鍋割山荘』の鍋焼きうどんなど。山の上で食べるご飯はとびきり美味しいのです。

風を切る爽快感を味わう

日頃から自転車に乗っている人やウィンタースポーツ経験者なら、風を切る爽快感という言葉にピンときたのでは。トレイルランニングも似たような感覚が味わえます。フラットな道や緩やかな下り坂はとくにスピードが出しやすく、頬に当たる風はなんとも清々しいものです。トレイルは木の根が飛び出ていたり、小石が転がっていますが、そこを軽快な足さばきでリズミカルに通り抜けられたときはこれまた快感。クセになります。

脳と心をリセットする

自然のなかに身をおくことで心が落ち着く、という経験をしたことはありませんか? トレイルランニングというスポーツはその効果だけでなく、不整地を走る際に凹凸ある地面の情報を脳が瞬時に処理して身体に伝えなければならないので、頭も使います。つまり、一度強制的に脳が仕事モードから切り替わることで頭のなかのモヤモヤがいつの間にかリセットされるのです。心地よい疲労に包まれて眠れば、翌朝もスッキリ。

Step 2最初に走る山はどんな山?

今住んでいる街からのアクセス、 山でやりたいこと、走力レベルによっても
選ぶ山やルートは変わってきます。 そこでSTEP2ではルート選びのヒントをお伝えします。 山遊びビギナーであればまずガイドブックを開き、 行き先とルートを決めましょう。 登山経験者は山地図を参考にするのもいいでしょう。

まずは丘陵や里山からはじめる

ようし山を走ってみよう。そう思っても、いきなり重装備で登るような高い山に挑むのは危険です。そこでまずは「丘陵」や「里山」へ。何時間も電車を乗り継ぎ移動しなくても、街から少し足をのばすだけで辿り着くことができる自然溢れる場所です。不整地を走る感覚を楽しみましょう。

ガイドブックを参考にする

山までのアクセス情報、山頂までのルート、近場のレストラン、見頃の花。これらはすべてガイドブックに載っています。里山なら「散歩」や「ウォーキーング」といったタイトルの本、慣れてきたら「登山」「ハイキング」「ロープウェイ登山」といった類の本を参考にするといいでしょう。経験者に話を聞くのも一つの手です。

エスケープルートを確認しておく

エスケープルートとは、予定していたルートとは別に、より早く安全に下山ができるようあらかじめ設定しておくルートのこと。突然の雨や、怪我をしてしまった時など、それ以上進むことができなくなったときに使用します。ルートを選ぶときに併せて確認しておきましょう。

10km前後がちょうどいい

10kmと聞くと長く感じる人もいるかもしれませんが、もちろん全部走る必要はありません。ときに歩いたり、写真を撮ったり、景色を眺めたりしていると、10kmの道のりもあっという間。時間にして2時間程度、休憩をはさんでも最大3時間。せっかく山に入るなら、めいっぱい遊びましょう。

駅から登山口は近いほうが便利

山によっては、登山口を見つけにくいことがあります。駅から登山口が離れていればなおさら、山に入るまでに時間がかかってしまうことも。山で遊ぶ時間を長く確保するためにも無駄なロスは避けたいところ。できるだけ駅に近いところからスタートして、ゴールも駅に設定しましょう。

コインロッカーのある駅を利用する

汗をびっしょりかいたまま、帰りの電車に乗るのは気が引けます。着替えがあれば、帰りに温泉へ立ち寄ることだってできちゃいます。問題はその服をどこにしまっておくか。そこで、駅に設置されたコインロッカーです。着替えや余計な荷物を預け、必要な物だけ持って山に入りましょう。

こんな山に行ってみよう!

関東おすすめ1

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多摩センター~小山田緑地往復コース

思い立った時にすぐに行けるのが、都内からのアクセスもよい多摩丘陵。アップダウンも大きくないので、街ランの延長で気軽に楽しむことができます。 降りる駅は、新宿から乗り換えなしの30分で到着する京王多摩センター駅。ここから荷物を預ける極楽湯 多摩センター店に移動します。準備ができたらさっそくスタート。ストレッチをしつつ多摩中央公園を通り、宝野公園、奈良原を抜けると多摩丘陵沿いのトレイルよこやまの道に突き当たります。東京ゴルフクラブ脇を通り、多摩清掃工場前の交差点からトレイルへ。少し進むと小山田緑地方面を示す看板が出てくるので、これに従いましょう。トンボ池や吊り橋でちょっとした冒険気分を味わいながらぐんぐんと進むと、折り返し地点である『みはらし広場』に到着します。丹沢への展望が開けた気持ちのいい場所なので、ここでおやつを食べたり、寝そべってみたり、ちょっぴり休憩を。帰りは同じルートを通って極楽湯へ。お風呂でゆっくり疲れを癒しましょう。

関東おすすめ2

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高尾山口~南高尾山稜~城山~高尾山コース

通称“裏高尾”と呼ばれる南高尾山稜は、ハイカーが少なく走りやすいコースです。距離は約16kmとやや長めのですが、帰りはケーブルカーで下るという選択肢もできるので安心です。 京王線高尾山口駅のコインロッカーに荷物を預けてスタート。駅を右手に国道20号線を少し歩くと、左手に登山口が現れます。ここを入り、最初の分岐点である四辻を右に曲がったら、あとはひたすら道なりに。草戸峠、草戸山(城山湖を望める休憩スポットあり)、三沢峠、西山峠、中沢峠、大垂水峠を通り、城山を目指します。城山まできたら茶屋でひと休憩。名物のなめこ汁をすするのもいいでしょう。お腹を満たしたあとはいよいよ高尾山山頂を目指します。ここからはハイカーも増えるので、マナーを忘れずに。体力に余裕があれば2号路コースで、疲れていたらケーブルカーで下山します。走り終わったあとは駅前の高尾山温泉で汗を流しましょう。

関西おすすめ1

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出町柳~大文字山 表コース

大文字山は、京都の東山三十六峰の一つ「如意ヶ嶽」の中ほどあたる山です。お盆の夜に行われる大文字五山送りは京都の夏の風物詩ですが、その「大」の所まで登って市内を一望できるのがこのコース。標高466mのいわゆる低山なので、四季を問わず一年中楽しむことができます。 出町柳駅のコインロッカーに荷物を預けたら、駅を背にしてまずはロードを走りましょう。今出川通を進むと慈照寺(銀閣寺)に突き当たるので、ここを左に曲がり、道なりに進むといよいよ大文字ハイキングコースに入ります。2,30分ほどすると右手に『大』の文字が現れ、さらに登ると大文字山に到着します。山頂は開けていて眺めも抜群。腰を下ろして休憩しましょう。さてここからは下り基調。地ノ谷地蔵分岐、南禅分岐、七福思案処を通り、仁王門通に抜けます。下山後も南禅寺の水路閣、平安神宮、鴨川など見所が多く最後まで楽しめます。

トレイルランニングをはじめると駅の階段も駆け上がりたくなってくるよ

Step 3はじめての準備

計画を立ててみよう

テーマと目的地を設定したあとは、下記の計画表見本を参考に当日のタイムスケジュールを組んでみましょう。 ガイドブックや山地図に書かれている参考タイムは徒歩を想定しているため、 トレランの場合はそれよりも少し短い時間で設定を。 実際にかかった時間も記録しておくことで、次回の参考にもなります。

Sample 1
MY FIRST TRAIL RUNNING 監修/ 宮崎 喜美乃さんの場合

  • 今回のテーマと目的地
  • 駅到着、ポイント通過、
    休憩などのタイム想定
  • 実際にかかった時間
  • 出発前に
    覚えておきたいこと

Sample 2
THE NORTH FACE 3(march) Staff / 對馬 菜津子の場合

  • 駅到着、ポイント通過、
    休憩などのタイム想定
  • 実際にかかった時間
  • 実際に走ってみて
    気づいたこと

記入ポイント

  • 今回のテーマと目的地
  • 駅到着、ポイント通過、休憩などのタイム想定
  • 実際にかかった時間
  • 出発前に覚えておきたいこと
  • 実際に走ってみて気づいたこと

THE NORTH FACE 一部直営店・取扱い店にて配布中の冊子「MY FIRST TRAIL RUNNING」を使用した記入例です。

持ち物をそろえよう

自然のなかで楽しく遊ぶには
事前の準備が大切。 気軽に登れる里山であっても、
山の中では何が起こるかわかりません。 万が一の事態に備え
必要なアイテムをそろえておきましょう。

Check list

10km前後の行程なら、水は最低1ℓ。
量は気温や気候に合わせて調節を。

スマートフォン

緊急事態に助けを呼ぶためにも必要。
充電器があるとなお安心。

ICカード・お金

茶屋で食事をするなら現金を忘れずに。
ICカードは下山後の買い物で役立つ。

レインウエア

雨予報でなくても雨具はあると便利。
汗冷え対策や、防寒着として。

ヘッドライト

山のなかは暗くなるのが早い。
怪我や遭難を防ぐためにもライトは必須。

地図

急なコース変更に備えて地図を持つこと。
あるいはガイドブックのコピー。

行動食

お腹空いたとき用に非常食を。
チョコやパンなど好きなものでOK。

救急セット

大きめの絆創膏、テーピング、
ハサミ、痛み止め、抗生剤軟膏などがあると便利。

大切なウエアの選び方

走るときのウエアリングは、 動きやすいTシャツ&ショーツが基本です。 トレイルランニングの場合はこれにプラス、 必要な荷物を入れるザックと 滑りにくい専用シューズが必要になります。 ベーシックなスタイルを抑えておきましょう。

A キャップ

つばがあり、頭にフィットするキャップがおすすめ。
汗抜けがいいものであれば
ムレによる不快感もありません。

B ザック

バックパックタイプとベストタイプがあるので、
実際に背負ってみて
揺れにくいものを見つけましょう。

C トレイルランニングシューズ

滑りにくく、安定感があるものを
基準に選びましょう。自分の走る距離や
スピードに見合ったシューズがベストです。

D Tシャツ&ショーツ

汗を吸い上げ、素早く発散させる吸水速乾
タイプのものが基本。季節や標高、時間帯によって
変化する気温に対応できるものが理想です。

E 防水シェル

稜線(山の尾根)に出ると、
吹き抜ける風に肌がさらされ、
一気に体温が下がることがあります。
突然の雨にも対応できるよう、防水シェルを。

はじめてのトレイルランニングに
おすすめしたいコーディネート

はじめてのトレイルランニングは、
できるだけ身軽に走りたいもの。
防水タイプのシェルが一枚あると、
雨風両方を防げて便利。
レインウエアはパンツだけ持てばいいので
荷物も軽くなる。

SET 1

  • 1-a

    キャップ

    額の肌面に配された吸汗速乾性素材が汗をキャッチ。
    流れる汗による不快感を感じることなく
    走ることができる。

    Swallowtail Cap NN41773(VW) ¥4,900

    tax excluded

  • 1-b

    アウターシェル

    超軽量の防水シェル。薄手で動きやすく、
    使わないときはコンパクトに収納可。
    ランニング前後の羽織ものとしても。

    Strike Trail Hoodie NPW61672(TH) ¥19,000

    tax excluded

  • 1-c

    カットソー

    季節を問わず汗冷えはするもの。
    かいた汗を素早く吸い上げ拡散し、
    ドライな着心地をキープするTシャツなら安心。

    S/S Enduro Crew NTW11881(W) ¥6,300

    tax excluded

  • 1-d

    ショートパンツ

    腰まわりに6つのポケットが配されたショートパンツ。
    小さな行動食を揺らさずに携帯できる。
    さらに身軽な街ランでも活躍する。

    Flyweight Trail Short NBW41872(K) ¥10,500

    tax excluded

  • 1-e

    トレイルランニング用シューズ

    クッション性と安定感が兼ね備わった
    トレイルランニングシューズ。
    不安定な路面でも横ブレが気にならない。

    W Endurus TR(GG) NFW01704 ¥15,000

    tax excluded

  • 1-f

    ソックス

    速乾性とクッション性を兼ね備えたランニングソックス。
    疲労や不快感は足元からやってくるので、
    ビギナーほど靴下選びは大切。

    Running Reflection DH Merino NN81701(W) ¥1,800

    tax excluded

  • 1-g

    バックパック

    6ℓの荷物が収納できるランニング用ザック。
    フロントポケットには
    500ml のボトルが収まる仕様。

    Martin Wing 6 NM61815(HR) ¥11,000

    tax excluded

  • 1-h

    レインパンツ

    高い防水透湿性を持ちながら、
    通気性も確保した軽量レインパンツ。
    いざというときのために、ザックに入れておくといい。

    Strike Trail Pant NP11667(K) ¥13,000

    tax excluded

街ラン〜里山トレイルランニングに
おすすめしたいコーディネート

ロードとトレイル(里山や丘陵)を
組み合わせて走りたいという人は、
スピードにも対応できるシューズをチョイス。
淡い色合いのシェルをふわりと羽織れば
気持ちが上がり、足取りも軽くなるはず。

SET 2

  • 2-a

    サンバイザー

    耐久撥水機能を備えたランニング用バイザー。
    長い髪を高い位置で束ねてもかぶるれるのがポイント。
    日差しが強い季節は必須。

    Swallowtail Visor NN41775(VW) ¥4,600

    tax excluded

  • 2-b

    アウターシェル

    ポケッタブルタイプのランニング用アウターシェル。
    外気を衣服内へと送り込む仕様で、
    汗をかいてもべたつきにくい。

    Novelty Swallowtail Vent Hoodie NPW71783(TD) ¥16,000

    tax excluded

  • 2-c

    カットソー

    超軽量メッシュ素材が快適な着心地をキープ。
    摩擦によるストレスも少ないので、
    長距離も楽しく走れる。

    S/S Hypervent Crew NTW11884(W) ¥5,900

    tax excluded

  • 2-d

    ショートパンツ

    撥水加工を施したショートパンツ。軽くて柔らかい素材は、
    登りや下りといった大きな足の動きも邪魔しない。
    ウエストラインに6つのポケット付き。

    Flyweight Racing Short NBW91776(TH) ¥9,500

    tax excluded

  • 2-e

    トレイルランニング用シューズ

    クッション性と安定性に加え、反発性に優れた機能を
    搭載した新しいシューズ。蹴り出すときに
    ポンと弾くような力を発揮するので、足運びがスムーズ。

    W Ultra TR Ⅲ NFW01803(AW) ¥13,000

    tax excluded

  • 2-f

    アクセサリー

    吸汗速乾素材を筒状にしたアイテム。
    日焼け防止としてネックゲイターに、
    汗止めとしてヘッドバンドやリストバンドにと、アレンジ可能。

    Dipsea Cover-it NN01875(Z) ¥2,300

    tax excluded

  • 2-g

    バックパック

    体にしっかりとフィットして揺れにくい、
    ベスト型パック。6ℓ。305gと軽量なので、
    デイリーに使用しても疲れにくい。

    Endurance Vest NM61710(K) ¥12,000

    tax excluded

トレイルランニング後のごはんはいつもの何倍だっておいしいんだ

Step 4楽しみ方を知ろう

さて、準備は万端。 あとは思いっきり楽しむのみです。 山の決まりを頭に入れたら、いざ目指す場所へ。 ふんわり暖かい日差しと、 おいしい空気が待っています。

TRAIL MANNERS 山のマナーも覚えておこう

ハイカーのペースに合わせる

歩いている人の横を猛スピードで通過する。それほど危険な行為はありません。進行方向にハイカーを見つけたら、まずはスピードダウン。相手のペースに合わせて歩きます。そのうえで挨拶をして、追い越すなり、すれ違うようにしましょう。追い越す時は“谷側から”が基本。道が狭い時は無理に抜かさないこと。

小さなゴミも落とさない

山で出たゴミは持ち帰るのがお約束。その場に捨てるつもりはなくても、食べた飴の包み紙が知らぬ間にポケットから落ちちゃった、なんてことも案外多いのです。小さなゴミでもすぐにビニール袋かファスナー付きの保存袋に入れ、それごと捨てられるようにまとめておくのがベター。環境配慮ができる女子、素敵です。

人に会ったら会話をする

山で人に出会ったら、まずは声に出してご挨拶。余裕があれば「天気がいいですね」「そこに綺麗な花が咲いていますよ」といった会話をしましょう。礼儀の意味だけでなく、会話から有益な情報を得られたり、乱れた呼吸を整えることもできます。急いでいないですよ、というサインにもなり相手に安心感を与えます。

RUNNING TIPS ついに、走ってみる!

登りはカタツムリのように

トレイルランニングだからといって、ずっと走ってなければいけない決まりはありません。登りは歩いてたっていいのです。おしゃべりできるぐらいの余裕を持ちながら、カタツムリのようにのんびりと。歩幅を狭く、一歩一歩リズムを保ちながら前へ。手を腰に当てておくと、上半身が安定して登りやすくなります。

下りは妖精のように

妖精と聞いてどんな生き物を想像しますか? フワフワ、軽やかに、跳ねるように飛ぶ生き物? まさにそんなイメージで下り坂は下りましょう。怖がって後傾姿勢になると、ひざに負担がかかりやすく、お尻から転んでしまうこともあります。全身の力を抜き、上半身はやや前かがみ。地面に対してまっすぐに着地します。

平地は子ジカのように

山のなかでも起伏が緩やかな道はあります。そこへきたら、街ランと同じように少しスピードアップをしてみましょう。目線を上げて、地面の凹凸と進行方向を同時に見ながら進みます。飛び出る木の根や転がる石を軽快な足さばきで通り抜ける瞬間は、快感です。お母さんシカを追いかける子ジカになった気分で。

走ったあとのケアも忘れずに

地面がフカフカのトレイルとはいえ、走ったあとの筋肉はダメージを受けています。翌日に疲れを残さないためにも、ストレッチでアフターケアを忘れずに。ゴールに近づいたらスピードを落とし、クールダウンを兼ねてゆっくり歩きます。歩きながら呼吸を整え、まずは肩周りをストレッチ。少し開けた場所で、もも前、もも裏、ふくらはぎといった下半身をほぐしましょう。

トレイルランニングをはじめると走る仲間の輪が広がるよ

はじめてのトレイルランニング MY FIRST “TRAIL RUNNING”
FOR WOMAN

Photo: Naoya Matsumoto
Model: Emi Chiba
Illustration: Grace Lee
Edit & Text: Yumi Kurosawa
Design: Natsuko Yoneyama
Supervise: Kimino Miyazaki
Special Thanks: Kudamatsu Kasadojima Island Trail,
YABUSAPO LLC.