TORU NAKAJIMA

幼少期からクライミングに没頭し、24歳となった今では世界のトップクライマーと肩を並べるほどの実力を持ちながら、大学院の研究生という顔も持つTHE NORTH FACEアスリート、中嶋徹。今回は、最もシンプルなクライミングスタイルを求めて九州へと足を運んだ。まだ誰も登っていない未登のラインを自分の思い描いた通りに登る。その中で中嶋徹のクライミングスタイルが垣間見えてくる。澄み切った空、青い海、真っ白な花崗岩と、世界の岩場に匹敵するほどのスケールを持つ九州で、彼の求めるクライミングスタイルとは。

TORU NAKAJIMA

中嶋徹 / TORU NAKAJIMA

23歳 長野県出身。父親の影響で4歳でクライミングにふれ、8歳から本格的に向き合い始める。外岩おける最年少記録を更新するなど成果を出し、14歳で小川山にある「伴奏者」5段V14を完登。その後も次々に高難度を登る。リードにおいても12歳で完登した「白髪鬼5.13d」でトラッドクライミングに興味を持ち15歳で単身渡英、クライミングの幅を広げていく。2012年からTHE NORTH FACEのサポートクライマーとなりコンペティションにおいても2014年のTNFCで準優勝と成績を残す。現在は大学院生という顔を持つ傍ら、国外の岩場においても成果をだし、積極的にツアーも行なっている日本を代表する若きクライマー。

回公開されたムービーは2017年2月に行った九州遠征の様子を収めたものです。遠征では鹿児島で3日、大分で1日、リハーサルや事前の掃除などを行わないグランドアップスタイルでの開拓を主に行いました。まだ誰も登っていない岩を探し、ラインを見定め、手探りで活路を見出してゆくプロセスは、今僕が最もやりがいを感じる登攀スタイルです。いずれの地でも、魅力的な岩を理想的スタイルで登ることができ、非常に満足のゆく遠征となりました。
僕は普段大学院の学生として岩を対象に研究を行っています。よじ登るという形でも、研究対象としても、岩は頑固で多くは語りません。しかし注意深く観察し、触れ、向き合い続けることで岩は僕らに道筋を絞めしてくれるのだと感じています。

僕がクライミングと出会って今年でちょうど20年目になりますが、未だに今回のように新たな発見があり、未だ見ぬ岩に感動を覚えます。それだけ岩は懐が大きく、時に多弁です。
映像を通して僕のクライミングスタイル、またクライミングを通して岩との対話を深めてゆくことの素晴らしさが少しでも伝われば幸いです。また今回僕を快く受け入れ岩を案内していただいたローカルの方々に感謝申し上げたいと思います。

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