
やさしい着心地のメリノウールを自然由来の色で染めた「Nature Dye」シリーズ。
毎年、日本各地で見つけた天然素材を原料に新しい染料を開発しています。
「捨てるを生かす」がテーマの2025年春夏は、山梨県北杜市の自然の恵みが染料に。
長い歴史をもつ桜の剪定枝と紫キャベツの余剰作物から、3つの色が生まれました。
樹齢2000年とも言われる由緒ある桜の子桜から生まれたのは、淡いピンクの「サクライロ」。 やさしく軽やかなのに、見る人の印象に残るその色合いは、まるで新しいスタートや出会いの季節を彩る桜吹雪のよう。 着ているだけで元気をもらえるカラーです。
「サクライロ」と同じ桜の枝から生まれた「サクラノキ」。 大地の力強さと木々の穏やかさを感じるブラウンに、上質なメリノウールにしか出せないツヤ感もプラスされて上品な印象に。 他のアースカラーとも馴染みやすいから、主役にも名脇役にも。
U Merino 150 Nature Dye SS Tee
IB0A56ZG ¥18,150
日本で最古・最大の巨樹「山高神代桜」。 「サクライロ」と「サクラノキ」の染料は、そんな神代桜の子桜の剪定枝が原料となっています。 この桜が根を張る山梨県北杜市の実相寺で、住職の松永良樹さんにお話を聞きました。
「花が満開になる春には、全国から大勢の人がいらっしゃいます」。 そう話すのは、作務衣にフーディーのカジュアルな着こなしが新鮮な松永さん。 境内の桜の剪定は、安全のために行われる大切な作業です。その剪定枝は普段は処分されますが、今年は「Nature Dye」の染料に。 「仏教では『全てのものが関係し合って成立し、不必要なものは何一つない』という考え方があります。 人間都合で『不要』と判断しがちな剪定枝に新たな役割を見出すことは、仏教の考え方とも調和しているんです」と、穏やかに語ります。
地元の人々の癒しの場になるだけでなく、植林活動などを通じて環境にも貢献してきた実相寺と松永さん。 神代桜の遺伝子を受け継ぐ桜の染料で染められたNature Dyeが、自然との関係を見つめ直すきっかけになればと話します。 「服に袖を通すことで、自分と自然が調和していく感覚や、自然の一部としての自分を意識してもらえたらうれしいです」
染料のもとになっているのは、紫キャベツの余剰作物。 北杜市の大地の栄養をたっぷり取り込んで育ったその葉っぱから、深いネイビーが生まれました。 紫キャベツならではのほんのりとした赤みが、落ち着きの中に遊び心を表現しています。
U Merino 150 Nature Dye SS Tee
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「ムラサキキャベツ」の染料は、北杜市の農家、石毛康高さんが育てた紫キャベツが原料。そのこだわりの農法についてのお話を聞きに、彼の畑「クレイジーファーム」を訪ねました。
石毛さんの畑があるのは、八ヶ岳南麓に広がる高原の町・小淵沢。青々とした畑では、年間80種類もの作物が栽培されています。 北杜市の豊かな土壌とおいしい水で育った野菜はシェフからの評判も高く、都内のレストランからもオーダーが。 「有機栽培がこだわりです」と語る石毛さんは、大学時代に環境問題やビオトープ、生物模倣技術を研究。 その後、新規就農で小淵沢に移住しました。 「多様な作物をうまく組み合わせて虫害を防いだり、間伐材の灰を畑に還したりして、循環型の農業を実践しています」
日本では珍しい西洋野菜も育つこの畑で鮮やかな青紫色を放つのは、栽培を始めて10年になる紫キャベツ。 「この辺りは日夜の寒暖差が激しいんです。おかげで野菜の味も色も濃くなります」。 その色素を使った「ムラサキキャベツ」は、深いネイビーに紫キャベツ特有の赤みがほんのり。 これまで余剰作物を土に返してきたという石毛さんも、「堆肥化以外のことにも利用できるのは素晴らしいこと」と笑顔で話します。 「自然の恵みから生まれたNature Dyeを通じて、環境に配慮した農業の存在を頭の片隅にでも置いていただけたらと思います」
毎年異なる自然素材を原料とする「Nature Dye」。 染料を開発してくださっているのは、草木染めの特許技術をもつ染色加工メーカーです。 代表の高橋舞さんにその工程について聞きました。
渋谷区にあるごく普通のマンション。 その一室に、「Nature Dye」の染料を開発している染色加工メーカーがあります。 植物や布のサンプルから自然科学や東洋医学、風水の本、実験用の鍋まで、日々使うツールが所狭しと並ぶその中は、まるで秘密の実験室のよう。 「同じ植物を使って染めるにしても、使う部位や季節によって色の出方が違うんです。 例えば桜なら、新しくて細い枝のほうが染料が濃く出ます」。 テーブルにサンプルを並べながら、高橋さんが難しい内容をかみ砕くように説明してくれました。
花から葉、根、茎、樹皮、果実、ときには岩まで、さまざまな天然素材から数百種類の染料を開発してきた高橋さんたち。
「Nature Dye」シリーズでも、毎年ハーブやロスフラワーなどさまざまな原料を使って新しい色を生み出してきました。
素材ごとの細かな研究の末に蓄積された知見と技術を使えば「どんな植物からでも染料は抽出できる」と高橋さんは言います。
もうひとつ、ナチュラルで鮮やかな染色に欠かせないのは、Nature Dyeの染色に使われている特許技術です。
植物由来の色素が繊維に定着しやすい状態に染め上げることで、しっかりとした発色と堅牢度、そして天然染色ならではの「ゆらぎ」を兼ね備えたやさしい風合いが実現しました。
柔らかなメリノウールを自然由来の染料で染めた「Nature Dye」。 化学染料だけでは出せない、天然ならではの風合いが特徴です。 染色に使われた水はろ過されたあと河川へ。 着る人にも環境にもやさしいシリーズです。 デイリーユースにうれしいこんな特徴も。
メリノウール100%使用で肌ざわりは柔らか。通気性も高く、季節を問わず快適に着られます。
アウトドアでも日常でも使いやすいシンプルなデザイン。薄手なのでインナーとしても重宝します。
特別なケア不要でお手入れ簡単。icebreakerのほかの製品同様にご家庭の洗濯機で気軽に洗えます。
自然が生み出す柔らかな色合いで、あなただけの手ぬぐいを染めてみませんか?
今年のラインナップと同じ「サクライロ」「サクラノキ」「ムラサキキャベツ」のうち1色で
天然の染料を使った染色をご体験いただけます。
軽くてすぐに乾く手ぬぐいは、旅にも日々の暮らしにも寄りそう一枚。
染める時間も、じんわりと色が育つ時間も、自然のリズムに身をゆだねながら、
ゆったりとしたひとときをご一緒に。
ワークショップ:1時間程度
[参加方法]受付は各店舗で設けているため
直接お問い合わせください。
1,650円(税込)
手ぬぐいを含んだ料金です。
詳細は、各店舗へ
お問い合わせお願いいたします。
Art Direction : Ryo Tomizuka (OAK)
Photography : Osami Watanabe
Illustration : Takashi Koshii
Writing : Asuka Kawanabe
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