VOL.4 ゆるやかな風のように
ポリウレタンを使わないストレッチ素材と出会ったのは20年ほど前です。登山やトレッキングのように足を上げ、屈伸や、開脚のような複雑な運動が複合的に繰り返されるスポーツとって、ストレッチ性の高い動きやすいボトムスはなくてはならないウェアの一つで、ナイロンやポリエステルといった繊維にポリウレタンを複合した素材が当時から現在に至るまで長きにわたり主流です。
ただし、ポリウレタンの弱点として経年使用による脆化によって伸縮性が失われてしまうことや、他の繊維と比べると速乾性に劣ること、重量も増えてしまうため、もっと軽く、ドライで、永く使える素材はないかと探してたどり着いたのがポリエステルに近いPTTや PBT繊維です。ポリウレタン混のゴムのような強い伸び感やストレッチバックはないものの、天然繊維に近い膨らみ感やソフトなタッチ。この繊維と出会い、それ以降様々なストレッチパンツを作ることができました。
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今回ご紹介する『カイヨセ』シリーズに採用しているPTT繊維のSOLOTEX(r)は特に高い機能性とナチュラルな風合いを兼ね備えており、アウトドアやアスレチックの製品開発を担当していた私にとって長きにわたって愛用してきた素材の一つです。そのなかでも『カイヨセ』は薄手で軽量、コンパクト性にも優れ、表面は光沢の少ないドライなタッチのテキスタイルを採用しています。
前回ご紹介したKIBITAKIはコンパクトに収納して持ち歩ける携帯性が一番の特徴でした。今回ご紹介するKAIYOSE(カイヨセ)は、同じく軽量のウィンドシェルではありますが収納性よりも運動追従性に優れ、羽織りではあるものの室内外問わず着用し続けられるのが一番の長所です。素材は前述の通りストレッチ性に優れている上、風をしのぎつつも衣服内を適度に保つ通気度コントロールがされているため、屋外のランニングから室内のトレーニングなど様々なシーンで活躍してくれます。カイヨセとは元々二月前後に吹く季節風の名前ですが、ゆるやかな風のような動き、ストレッチをもったことによって結果的にオールシーズン着用できる1枚となりました。







