VOL.2 軽やかになる
ディレクターの大坪です。「もし〇〇が〇〇だったら」――私のものづくりはいつも、そんな妄想や希望から始まります。自他共に認めるおしゃべりな私ですが、責任ある立場となり、ふとした言葉が悪影響を及ぼすことがないよう発言には気を配っています。それでも、ものづくりに関しては、突拍子もないアイデアや個人的な思いつきであっても、言葉にして伝えることが重要だと思っています。誤解を恐れず、イメージを共有し続けることで、メンバーとの意見交換が始まり、最初はぼんやりしたイメージがいつの間にか形となっていきます。
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そんなキャッチボールを経て生まれたプロダクトの一つが、今回ご紹介する「N/のWHIFF ニット」です。この商品は現在NEUTRALWORKSのシグネチャーモデルともいえる存在になっています。
スポーツウエアやアウトドアウエアは、通常ポリエステルやナイロンといった化学繊維で作られています。これまで、私も製品の軽量化を追求しどれだけグラム単位で軽くできるかにこだわってきました。しかし最近では、本当に重要なのは生地の軽さだけではないと感じるようになりました。例えば、セーターやニットウエアは100年以上ほとんど変わっていません。ウールを使ったセーターは、調湿機能や通気性など、優れた自然素材の特徴を活かし、究極の機能ウエアとも言える存在です。本当の「軽い着心地」とは何かを追い求めた結果、古くからあるニットに行き着いたことは、ものづくりの原点を見つめ直すきっかけとなりました。
ここでWHIFF の話に戻ります。WHIFF はウールではなく、ポリエステル糸を使用しています。ジャージやウィンドブレーカーではなく、セーターを選んだ理由は、その柔らかさと軽い着心地にあります。製品の重量自体は、世界最軽量とうたえるほどではありませんが、着ている感覚がほとんどないほどの軽さを実感できます。これは、セーター特有の柔らかさと伸縮性が生み出すものです。
さらに、WHIFF ニットにはテイジンフロンティア社が開発したDELTAという特殊な高捲縮糸が使用されています。この糸は、かさ高性があり、見た目以上に軽く感じられるのが特徴です。また、強度が高く、もともとは高所登山やトレイルランのベースレイヤーに使われていたものです。この糸をセーターに使用することで、日常生活でも引っかかりや摩耗に強いニットウエアが実現しました。
私は秋から春にかけて、ほぼ毎日このWHIFF ニットを着用しています。現在3枚をローテーションしていますが、そのうち1枚は最初のテストサンプルで、3年目の今でも問題なく着用できています。社内でも、当初は半信半疑だったメンバーが今では制服のように毎日着ています。今年もWHIFF ニットの季節がやってきました。ぜひ手に取って、軽さと快適さを体感してみてください。






