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        interview 01

        生き方や暮らし方といった経験からしか生まれない
        「本当の美」

        Noriko Sagara | 相楽のりこ

        ヨガスタジオ『TODAY SAGARA YOGASTUDIO』オーナー、ヨガ講師

        ―相楽さんの普段の1日の始まりは?

        4:00から5:00には起きて白湯を飲んでからヨガプラクティスをします。その後シャワーを浴びて、よほどの雨でない限り自転車でスタジオに向かい、最初のレッスンが始まる1時間前には到着して準備します。朝早くから私のヨガクラスを受けるために生徒さんが来て下さることに、こんな幸せなことはないなといつも実感しています。

        食事は朝のクラスが終わってから。空腹のまま動くので、最初に何を食べるのかは気にしています。とはいえ、厳しいルールは課さず、なるべく白砂糖は避けるとか身体が重くなるから小麦粉は摂りすぎないとか、それくらいです。ただ、そうした生活を継続していると良くも悪くも身体が敏感に反応するようになるので、朝から元気に過ごすためにも、身体に負荷がかかるものはなるべく食べないようにしています。

        ―1日の終え方は?

        全てのレッスンが終わり、家に帰宅するのが私のオフスイッチです。その後、愛犬と散歩して、次の食事と16時間は間隔を空けたいので18:00ごろには夕食を食べます。睡眠不足だと元気がでないので、睡眠の質にはとても気をつけています。日中はレッスン以外にも撮影やイベントなどがある日も多く、常に人と対峙してずっと頭が働いているので、眠る前はお風呂にゆっくり浸かったり、なるべく携帯は切ったりして(それでもつけちゃうんですけど)、一人の時間を大切にしています。

        ―ご自身のスタジオを2017年にオープンしてから、変わったこと、変わっていないことは?

        当時から、目的や方向性は全く変わっていません。自分が本当にいいと思える空間をつくり、その環境の中で私のヨガプラクティスやライフスタイルを通じて、人々にどんなことを伝えることができるのか。それを追求していくうちに、スタジオに通ってくださる方々の幅も質も自ずと収斂されていって、やりたいことと合致してきた実感があります。

        スタジオには、様々な世代、国籍、職業、文化背景、価値観を持った方が集まっていて、いいコミュニティも生まれていると実感します。ヨガクラスが終わるとそれぞれの仕事や生活に戻っていくわけですが、みなさん、自分の時間を作って自分を大切にしている。そういう人たちを見ていると、私も励まされますし、嬉しくなります。

        振り返ると色々ありましたし、今も道半ばではありますが、妥協せずに継続していくことが説得力になり、それが自分の自信となって返ってくる。だから自分のスタジオづくりが、間違いなく私の人生の中心になっています。

        ―対人関係で落ち込んだりショックを受けたとき、どんなふうにリセットしますか?

        そもそも子どもの頃から一人でいる事が苦じゃなく、広く付き合えるタイプじゃないので、自分が大切にしたいと思える人に対しては絶対に誠実でいたいけれど、そうでないなら、時間が解決してくれると考えるようにしています。だって、怒りやモヤモヤに心と時間が支配されるのはもったいない。あとは嫌なことがあったときこそ、ヨガの勉強をします(笑)。私はすごく負けず嫌いなので、誰かのせいにするのは嫌なんです。心が疲れたときは休むのが一番ですね。

        ―年齢を重ねることに不安を抱くことはありますか?

        むしろ、年を重ねることが楽しいですね。30代の時よりも40代の今の方が自由だと感じるし、価値観も視野も広がったと実感しています。もちろん、20代の頃のような生意気な部分も残っていると感じますが、失敗したりもがいたりしながら様々な経験を通じて角が取れていくプロセスの中で本当の自分を知ることができたし、以前よりも自分を好きになることができたと思うんです。そんなふうに、年齢と経験を重ねて進歩や手応えを感じることで、人は年を取ってもどんどん輝いていけるんだと感じます。そうして最終的には、角が全部取れたまあるいおばあちゃんになりたいですね。

        ―相楽さんが目指す「美しさ」とは?

        生き方や暮らし方といった経験からしか生まれない、本当の美ってあると思うんです。その本当の美を「自分らしさ」と解釈するならば、それは経験を通じて見つけていくもの。30代の誕生日に、私がとても尊敬している方から、ココ・シャネルの言葉を送ります、とメールを頂いたんです。「20歳の顔はもらったもの、50代の顔は自分で作るもの。そういう生き方をしていると思うから、50歳のときのあなたの顔には、あなたの価値が滲み出ていると思う。だから頑張ってね」と。そのメールを読んで、叶えたい目標があるし、自分が見たい光景があるのだから、丁寧に生きよう、丁寧に走ろう、と思いました。他者のことは想像してもわからないんだということに、自分のスタジオを持ってはじめて気づきましたし、大切なのは他者と比べるよりも、自分にOKを出せる自分になること。そのためにも、自分の経験を大切にしないといけないな、と常々感じています。

        ―今後、どんな自分になりたいと考えていますか?

        私は常に、自分が教わりたいと思えるヨガ指導者であることが目標です。人の上に立つのではなく、前を走れるヨガ指導者です。そのためには、自分自身を客観視できる目を持つことが大切だと、これまでの経験から学びました。プラクティスを通じて自分を観察する目を育むことは、ヨガだけでなく普段の生活にも生きますし、ビジネスにも必要なことだと思います。私のクラスを受けにきてくださっている方々は皆、自分の目標に向かって走っている人たちという点で、私と同じ立場。そんな方々がヨガを通じて自分を客観視する目を育むことができるよう、前を走れるヨガ指導者でありたいと思っています。