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        WORKING FISHERMAN Vol.06

        鳥取県漁業協同組合眞田 美幸

        日本海に面した、約129kmの海岸線を有する鳥取県。そのうち6割は、山陰海岸ジオパークに認定された美しい砂浜海岸が広がり、大山の火山岩からなる天然礁があることから、四季を通して豊富な魚介類が水揚げされる。かつて鳥取の夏泊海岸は、山陰地方で唯一の海女が活動する場所として、伝統的な素潜り漁が400年以上受け継がれてきた。1950年代に30人ほどいた海女は、高齢化や後継者不足のため、2015年に組合の解散を余儀なくされた。眞田美幸さんは、鳥取砂丘の東部にある福部町・岩戸漁港で働く鳥取県最年少の海女。2017年4月に独立し、先輩の海女さんと共に岩牡蠣やわかめなどの素潜り漁に力を注いでいる。

        三人兄弟の末っ子で、親の影響で小学生から中学の途中までは剣道をやっていました。中学ではバスケ、高校ではフェンシングをやったりと、昔から勉強よりも体を動かすことが好きなタイプしたね。鳥取でフェンシング部がある高校は2校しかないので、簡単にトップになれてしまうんですよ(笑)。とはいえ全国大会でも個人3位になることができたので、運動は得意だったんだと思います。でもある時から、お土産屋さんとかに置いてあるお洒落なパッケージのデザインに興味が出てきて、フェンシングを辞めて美術系の学校に進むことにしたんです。

        もともと田舎が好きだったので、県外に出るつもりはなかったんですが、人生経験として一度は出てみようということで、寮に住みながら兵庫県にあるデザインの学校に通うことにしました。授業も楽しかったし友達もたくさんできて、とても充実した時間を過ごすことができたと思います。でも当時の友達で、今でもデザインを仕事にしているという人はほとんどいませんね。みんなOLになったり、家業を継いだりしています。

        学校を卒業した後は島根の写真館に就職したり、フィットネスクラブのインストラクターをやったりしていたのですが、そのフィットネスクラブで営業の仕事をするようになってから落ち込んだり、人とぶつかったりすることが多くて、辞めたいという気持ちが強くなったんです。そんな時、今の先輩海女さんが研修生としてテレビに出ているのを見て、思い立って水産協会に「海女さんになりたい」、と電話してみたんです。

        電話して問い合わせてみた結果、受け入れ態勢が整っていないという理由で断られました。それでも諦めきれず、北海道で短期住み込みの酪農バイトをしたりしながら、半年間待ったんです。待ったところで受け入れられるかどうかなんてわからなかったんですけどね。でも結果、なんとか研修生として海女さんになることができました。

        (後編は後日掲載)

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