COLUMN
2024.07.07
Play with Ocean
海に出かけよう! 海と遊ぼう!
Overview概要
人は、誰もが未知なる世界への最初の一歩を踏み出すときがきっとあるはずです。海は、陸地に住んでいる人間にとって、体験したことのない未知の世界。そんな水の中に入っていくことは、新しい扉を開ける冒険となることでしょう。知らないものは怖い、それは当たり前のこと。でも、自分で体験をしてみなければ気づかないことはたくさんあります。その時に必要なもの、それは「知恵」と「道具」です。その使い方を心得た上で一歩を踏み出せば、怖さは消え、好奇心を最大限に広げることができるでしょう。海や水辺は楽しい遊び場となり、学ぶ場所にもなっていく。まずはぴちゃぴちゃと海に足を浸す、そこからスタートして世界を広げていきましょう。
Interviewインタビュー
今回は、5000本以上のダイビング経験を持ち、海を持続可能に共創していくダイバーと海の総合サイトocean+αの代表をされている河本雄太さんに、海にかかわることの楽しさについて、そして私たちの生活で海を感じることについてお話をうかがいました。
河本さんは、現在ダイビングをお仕事にされていますが、海を好きになるきっかけは何だったのですか?
小さい頃は、海はすごく嫌いで見るのも嫌だったんです(笑)。泳ぎはできたのですが、波が怖かったんですよね。姉がボディボードをやっていたのですが、海に入れないことをよく言われていてずっと悔しい思いをしていました。でも、小学校3年生くらいのある日、姉に連れられてボディボードをしに行ったんです。もともと泳ぎはできたので怖くはなかったんですが、波に乗って戻ってきた時の味わったことのない感覚や、自分の周囲を景色が流れていく感覚ははっきりと覚えていて、今でも思い出せます。その体験をしてからですね、海にハマったのは。その後、高校時代はサッカーをしていたので海へ行くことはなかったのですが、卒業後、海の家を舞台にしたテレビドラマを見たときに、楽しかった海の記憶を思い出し、ライフセービングと出会って海で働き始めました。
海遊びをしたことがない方に、海の面白さをどうやって伝えていますか?
まず、海を見るのも嫌いな人ってきっといないと思うので、一度海を実際に見に行ってほしい、そして足を海に浸してみてほしい。何も怖いことなどありません。普段見聞きしていることも、体験してみると感じ方がきっと変わるはずです。様々なアクティビティをするのは、その後でも大丈夫だと思います。また、普段だと、公園で泥だらけになったり洋服を濡らしたりすると親御さんに怒られてしまうかもしれませんが、海って濡れても泥だらけになっても怒られない場所なんです。だから、親御さんの立場でいうと、普段ダメと言っていることでも、海に行ったら、少し大きな気持ちで背中を押してあげてください。そうして一歩踏み出すことで、考え方はきっと変わるはずです。
海に行って海を感じるのは簡単なこと。ですが、皆さんが住む町でも海を感じていただけるような場所はたくさんあると思います。普段食べている魚がどこから来ているのかを考えてみるのもいいですし、川が流れていたらそれがどこに繋がるかを考えてもいい。ビーチクリーンの活動をすると、小学生の子たちは、打ち上げられたごみの中に、自分が好きなスナック菓子や飲料のペットボトルがあることにすごく衝撃を受けます。それは、普段の私たちの暮らしが、そのまま海と繋がっていることを身をもって知ったからだと思います。「地球環境が問題になっている」、「環境破壊はよくない」、「海をキレイにしよう」と言葉で言うのは簡単ですが、もう少し私たちの生活に近い身近なところから話を始め、すべてが海に繋がっているということを感覚的に理解することが重要なのだと思います。
海で遊ぶ時に心がけておいた方がいいことはありますか?
海で遊ぶ時に必要なもの、それは「知恵」と「道具」です。その選び方を間違えずに、自分に合った正しいものを選べていれば、海遊びは何倍も楽しいものになるでしょう。そして、一歩海へと足を踏み入れたら、その魅力にきっと気づくはずです。
河本雄太Yuta Komoto
埼玉県出身。 学生時代にライフセーバーを経験し、海の仕事がスタートする。その後、ダイビングインストラクターになり、1,000人以上の講習実績をもつ。現在は「ダイビングインストラクターの価値を証明したい」という思いから、ダイビングメディア『ocean+α』の運営やダイビングや海遊びを活用した地域活性の支援などを行う。
Points & Tips楽しみ方のポイント
- スーパーへ、海の食材を探しにいこう
- 食卓で魚介類、海藻類を味わってみよう
- 水道から流れる水の行方を考えてみよう
- 浜辺を観察して、漂流物を見てみよう
- 海の水に足を浸したら、どんな感じがするだろう
- 海の中を想像してみよう