海を制する者たちのため

KEELBOAT

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SPEC
Tactician Dynamic Jacket
水にも風にも決して負けない
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水しぶきはもちろんのこと、灼けつく太陽と冷たい強風が同時に襲ってくることもある海の上。どんな環境下でも体のコンディションを一定に保つためには、プロフェッショナルの手を借りる必要がありそうだ。Tactician Dynamic Jacketには、そのために必要な最高の素材を指名した。高い防水透湿性と防風性を備えながら、薄くて非常に軽量なGORE-TEX PACLITE® PLUSを贅沢に使った一着。

Tactician Dynamic Jacket
Tactician Dynamic Jacket

従来のGORE-TEX®製品からアップデートされたのは肌触り。裏面に耐摩耗コーティング加工を施すことで滑りが良く、ベタつきを軽減している。裏地がないためコンパクトかつ軽量であり、ボートの上で軽やかに立ち回れるだろう。脇下部分には、GORE-TEX® PRODUCTSのストレッチ生地を使用。体に沿いながらもダイナミックな動きに追従し、動きを妨げない。両サイドのポケットは止水ファスナーを使い、塩噛みしにくい仕様に。そのほか、裾を補強するCORDURA®素材、水の侵入を防ぐフルシーム縫製など一流の技術をふんだんに盛り込んでいる。

DINGHY

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DINGHY

SPEC
L/S Hydroshot Rash
肌を刺すような太陽光に対抗
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ウェットスーツでは暑く感じるシーズンの、ディンギーやウォータースポーツに活躍するラッシュトップ。灼熱の海上でも海水温度は低い環境下に於いて、スプレーを浴びると寒さを感じてしまう。L/S Hydroshot Rashは優れたはっ水機能を搭載。ウェア上をサラサラと水滴になってスプレーを弾く。激しいパフォーマンス下でも、動きの妨げにならないよう、体に沿ったサイズを選ぶのが基本なラッシュトップには、優れたストレッチ性が欠かせない。L/S Hydroshot Rashに採用されたラッシュガード素材はしなやかな着心地が特徴で、ダイナミックな動きにもスムーズに追従する。

裏地の縫い目はスマートシームでストレスフリー。海のシーズン、特に夏にかけてはなるべく長時間活動していたいもの。強い日差しにより体力を損なわないためのUVプロテクト(UPF50+、紫外線カット率95%以上)機能も備わっている。

L/S Hydroshot Rash

BE WITH WATER MAG

INTERVIEW
水と共に生きる者
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HELLY HANSEN のブランドコンセプトである、「BE WITH WATER」〜水と共に生きる〜。
そんなコンセプトを体現する人たちの活動や考え方を紐解いた先に、見えてくるものとは。
鈴木義弘選手を2回目のゲストに迎え、その魅力に迫ります。

鈴木義弘

YOSHIHIRO SUZUKI
2000年6月生まれ。小学1年生でオプティミストに乗り始める。ユース時代は国体5連覇、世界選手権6位の成績であった。2018年より大人のカテゴリに上がり、2019年U-21世界選手権4位、2018年、2020年全日本選手権レーザースタンダード級において日本人1位に輝く。
オプティミスト選手 鈴木義弘

ご出身は山口県の上関町だそうですね。どんな町でしょうか?

はい。瀬戸内海に突き出した半島で、家の目の前にも海が広がっているような地域で育ちました。海は綺麗だし、冬は暖かい、とてもいい場所ですよ。

ヨットを始めたきっかけを教えてください。

父が大学時代にヨット部に入っていたことから、兄とともに隣町のスクールに通っていました。当時6歳だった僕はあまり乗り気ではなかったんですよね。泳ぎもあまり得意ではないし、永遠と続く底無しの海を怖いと思っていました。それでも続けていくうちに、小学2年性の時に出た大会で、たまたま表彰台に上がっちゃったんです。なんだかやれそうな気がして、並行して習っていたサッカーを辞めてヨットに絞ることを決心しました。

それから、壁にぶつかったりしたことは?

小学校の頃は、自分で言うのもなんですけど、右肩上がりで(笑)。全日本での小学生優勝も果たせました。でも、中学1年生の時には東京オリンピックが決まり、日本代表として世界選手権に出してもらったとき、ほぼ最下位みたいな状況で自信を失いましたね。世界ってすごいな、ヨットやってても楽しくないな、って思う時もありました。僕はスタートラインにすら立てていない、そういう感覚でした。それでも続けてこられたのは、ヨットレースを楽しんで、楽しんだ結果、表彰台に立って、周りから「おめでとう!」って言葉をもらえるのがすごく好きだったから。ヨットレースはテレビゲームをやっている感覚に近いというか、駆け引きだったり組み立てかただったりを自分の頭でよく考え、実践し、反省するという、フィジカル面以外の修練も必要な競技です。フィジカル面で不利に見られる日本人も、スピードや駆け引きを追求していけば、勝てるようになっていくんじゃないかと思っています。特にレーザー級は、選手全員が同じ道具を使わないといけないというルールがあるので、己の身体ひとつで勝負しないといけない唯一のセーリング種目なんですよね。ですから、トレーニングや練習の効果をすぐに実感できる。それもまた面白いです。

オプティミスト選手 鈴木義弘

ヨットで生きていくと決めたターニングポイントは?

高校1年生のときに出場した世界選手権と、その翌年に出場した世界選手権です。1回目の結果は200人中180番くらいのとても低い順位で、もうダメだと深く落ち込みました。しかし1年後の世界選手権では6位に入ることができたんです。その要因をはっきりとは分かりませんが、ただ、高校時代の顧問にかなり影響を受けたと思っています。厳しい指導で有名な人だったのですが、すごく自由にやらせてくれて。その人が繰り返し言っていたのは「俺とひとつだけ約束だ。1日の練習で、ひとつでいいからなにかクリアする目標を決めろ。それさえできればあとは任せる」ということでした。基本的なことからひとつひとつ、階段を上っていく日々でしたね。振り返れば、そうやって過ごした1年間のおかげで、今の自分があるのかなって思います。

現在はどのように練習やトレーニングをしていますか?

ちょうど高校1年生の世界選手権が終わった頃に出会ったコーチが指導してくださっています。最低でも月に20日、1日2時間~2時間半は海で練習していて、そのほかはジムでのトレーニングです。ジムではフリーウェイトのような無酸素運動と、ロードバイクを使った有酸素運動のトレーニング、ローイングマシーンなど、全身を使ったトレーニングを中心にしています。大学のジムや、鎌倉にあるジム、それからJISSという赤羽のスポーツ科学センターにも通っています。JISSのトレーナーさんに見てもらってからは、なにをやればこうなる、という科学的な視点で無駄のないトレーニングを教えてもらえるので、効率が上がったと思います。

オプティミスト選手 鈴木義弘

日頃の生活で心がけていることを教えてください。

リカバリーをきちんと設けることです。とくに睡眠には気を使っていて、毎日9時半には寝て6時半には起きるようにしています。そういうリズムが体に染み込んでいるので、海外遠征で寝不足になったりすると、体が重たいように感じますね。それから振動するストレッチポールを常用しています。筋肉がほぐれ、疲労がたまりにくくなった気がします。最近は自炊にもハマり始めました。無水調理器を買って、肉じゃがを作ったり(笑)。

レースの勝敗を決める要因はなんですか?

ヨットは風を取りに行くスポーツなので、リスクを恐れずに、積極的に風を取りに行って勝負をかけた人が勝つと思っています。自分の中で勝ちのエビデンスを見つけて、冷静に勝負に出れるかどうか。頭の回転と経験が重要なスポーツです。僕はやりすぎと言われるくらい、風を取りに行っちゃうタイプでなんです。その分、失敗も多いですが。レース当日は、会場に入ったら、必ず風を測って、2分ぐらい、ただただ立ち止まって海を見るようにしています。必ずレース会場の真ん中に立って、全体を見ながら考え事をして、頭の中を整理するような感じですね。

オプティミスト選手 鈴木義弘

ヘリーハンセンのウェアはどうですか?

すごく着心地がいいですよ。僕は、ゴムが首に当たるのをストレスに感じてしまうのですが、ヘリーハンセンのものは生地がいいですよね。発揮するパフォーマンスも全然変わってきますから、そういった意味で「分かってるな」と思います。実は僕の要望に合わせたオーダーメイド仕立てにしていただいていて、かゆくなる部分を変更していただいたり、ウェットスーツのお尻の部分を破けにくいものに変えていただいたりしています。本当にありがたいですね。

海は好きですか?

実はあまり……好きじゃないですね(笑)。毎日海にいるので、オフの日にあえて海に行ったりはしないです。でもドライブが好きなので、逗子のスタバでコーヒーを買って、135号線の海沿いをドライブするのはよくしますね。ビーチにわざわざ行ったりはしないです。砂入るのいやだし(笑)。でも、海を大切に思う気持ちはあります。海洋汚染の問題が指摘されていますが、ビーチや海上にゴミがあったら必ず拾いますね。山口のクラブにいた頃は、ゴミを見つけたら拾うっていうルールがあったし、僕の母親もそういうことの大切さを教えてくれました。些細なことですが、ジムに行く時はペットボトルを買わずにマイボトルを持参しています。海洋汚染は世界でも問題になっているので、世界選手権に行くと、エリア内ではペットボトルの使用が禁止されていたり、マイボトル持参というスタンスに変わってきています。日本よりも海外の方がシビアに取り組んでいる感じがしていて、特にオーストラリア人、ニュージーランド人はすごく厳しいです。日本と違って、ウォーターサーバーがそこらじゅうにあったりするので、ペットボトルがなくても快適に過ごせる環境が作られているなと感じます。

オプティミスト選手 鈴木義弘

今振り返って、この道を突き進んできて良かったと思いますか?

良かったと思います! 昔から全国を回りながら各地のヨットレースに出場してきたおかげで、友達や人とのつながりができて助けてもらったりしています。いつか家業を継ぐ時になっても、そういう縁は続いていってほしいです。今の目標はオリンピック出場で、その先にはメダル獲得も見据えています。レーザー級がオリンピック種目として残っていれば、2028年の大会までは目指していきたいですね。だから、あと7年。こうしてヘリーハンセンのようなブランドがサポートについてくれているので、その間、発言にしても行動にしても、恥ずかしくないような競技者になりたいです。