からだあそびレシピ – 実践編

「風を集める手前 その1」 & 「空に描く(revised)」 by 大脇家(大脇理智・イフクキョウコ・大脇凡)

  • からだあそびレシピ
  • 2022.8.11 THU

 ダンサーの福留麻里とAokidが提案する、からだで地球を遊ぶためのことばのレシピ。約1年間連載を続けてきたレシピを、山口県が拠点の福留と東京が拠点のAokid、それぞれがチームを組み、いくつか実際に挑戦。福留チームの「風を集める手前 その1」(レシピ考案:Aokid)と「空に描く(revised)」(レシピ考案:福留麻里)。走ると感じる風。走り方を変えて、そこにある風と自分で迎えにいく風があります。空の風景を自分の体を伸ばして伸ばしてなぞっていく。遠い風景が少し自分のほうに近づくかもしれません。

「風を集める手前 その1」

「風を集める手前 その1」

ゆっくり歩く

ふつうに歩く

はやく歩く

ふつうに走る

はやく走る

移動する時の風のスピードを感じ 覚える

その感じを 掌をそよがせて再現しようとする

その2つの体験を持って

今度は風の起こりそうな場所へ移動し

耳(や目や体や膝)をすます

身の周りに起きる風はないかどうか観察する

「空に描く」

『空に描く』

からだの中 みぞおちのあたり

光を想像する


その光を光線にして

鼻の頭から からだの外へ出して 空を見上げる

そして空まで伸ばしていく


見えない光線

雲の輪郭や空と地上の境目を なぞったり

横切る飛行機を追いかけたり


鳥や虫 雲や月 星や太陽の

となりやまわりや

何もなく広がる空の空き地に

見えない絵や線やメッセージを描いていく


何度も見上げたくなるような

新しい空の景色をつくる

出演
大脇家(大脇理智・イフクキョウコ・大脇凡)
山口県在住。2017年から毎年「鳥取夏至祭」で踊っている家族。理智=メディアアーティスト、キョウコ=ダンサー、凡=森の子。子は踊ることを「うたっている」と言う。2021年鳥取夏至祭で発表した家族総出制作・出演のダンス映像が好評を得る。

スタジオイマイチ/イマイチダンス

撮影/編集
時里充
1990年兵庫県生まれ。2010年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー [IAMAS]、2012年多摩美術大学卒業。画面やカメラに関する実験と観察を行ない、認知や軽量化といったデジタル性に関する作品を制作発表。小林椋とのユニット「正直」などでライヴ活動を行なう。

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コーディネート
福留麻里
ダンサー・振付家。2001年よりダンスデュオほうほう堂として活動。2014年よりソロ活動開始。ダンスのはじまりや、ダンスになる手前にある可能性を探り、劇場やギャラリーをはじめ、道、川原、公園、誰かの家、誰かや何かとのコラボレーションなど、いくつものやりとりから生まれる感覚や考えや動きを見つめ紡ぎながら、様々な場や状況、人と共に踊っている。 Official HP