カリフォルニア州サクラメント出身、ネバダ州ラスベガスを拠点にビッグウォールを求めてバンライフを送る。
アレックス・オノルドのヨセミテ国立公園ビッグウォール、エル・キャピタンへのフリーソロ登攀を記録した映画「フリーソロ」はありとあらゆるメディアから絶賛された。
2018年10月のニューヨークタイムズでは、「2017年6月3日にアレックス・オノルドが成し遂げた3時間56分でのエル・キャピタンのフリーソロ登頂は決して無謀な挑戦ではなく、月面着陸の計画に匹敵するほど考えられ準備されたものであった。彼自身の自己中心的な挑戦というわけではなく、過去に成し遂げられた様々な偉業が人間の限界ではないと信じてきた者たちとって非常に大きな意味を持つものであった。そしてこの偉業はフリーソロの能力だけでなく、彼の精神の壮大さが成し遂げた出来事」と述べた。
アウトサイドマガジンでは映画「フリーソロ」を「間違いなくクライミング映画史上の最高傑作」と評している。さらに「この映画はフリーソロとしての偉業だけをドキュメント化しただけのものではなく、“一流の心”と呼ばれるクライマーの考えや心理についても掘り下げられている。先述した”一流の心“とは、地球上での彼の存在という素朴な疑問と同様に、壁から壁へのムーブや細かい動きを刹那に考えることができることだ。彼はひとつの功績を成し遂げるには何千もの小さなことを完璧にこなすことが非常に大切であることを理解している完璧主義者」とも述べている。

エル・キャピタンのフリーソロ登頂から約1年後、オノルドはパートナーのトミー・コールドウェルと3000フィートの花崗岩の壁、ザ・ノーズを1時間58分7秒で登り切るスピードレコードを打ち立てる。このレコードを元記録保持者ハンス・フローリンは垂直のマラソンで2時間の壁を打ち破るようなものだと述べた。世界最高峰と言われている岩壁ザ・ノーズは、クライマーの多くが3〜5日かけて登るルートである。
現代で最も優れたクライマーであるオノルドは、アメリカ最大の岩壁をフリーソロで登頂したことによって世界で広く認知され、支持されるクライマーの1人となった。 才能豊かで努力を惜しまないオノルドは謙虚で控えめな人柄でも知られ、その姿勢はクライミングに対しても同じで名声やスポンサーシップを得てもなお、オノルドの生き方は素朴なものままであった。
オノルドは太陽エネルギーの取り組みを通して環境負荷への削減と改善を目指した非営利環境団のオノルド財団を設立している。
アレックス・オノルドは自分に出来るかどうかなどの自己理解に長けており、結果として出来ると判断することが多かった。彼はロープなしで何千フィートの高さの岩壁に挑む時に予測される最悪のシナリオを展開することがない。恐怖を珍しい形の明確性に変換するのだ。その明確性こそアメリカ最大の岩壁でのフリーソロ登頂へ導き、世界中の岩壁の新しいルートをへと導くのだ。
アレックス・オノルドは謙虚な姿勢から決してこれらの偉業を自慢することはない。