より自由を感じるための
ソロキャンプという選択肢
ぽっかりと予定が空いた休日。清々しい秋の空気に誘われるようにキャンプ場に向かった。
幼い頃は、よく家族とキャンプにでかけていたが、最近はすっかり遠のいてしまっていた。
ナイフを使って薪を割るバトニング、ライターや着火剤に頼らない焚き火の起こし方。幼少期に父から教えられたキャンプスキルも、意外と覚えているものだ。
今回は、寡黙な相棒も一緒だ。
彼の好奇心には目を見張るものがある。森の中の様々な匂いに反応し、飛び立つ鳥に目を輝かせる。
起こした焚き火でステーキを焼き、フライパンからそのまま豪快に食べる。
ソロだから、いつ、どんな方法で、なにをするのも自由だ。
風もない静かな夜。秋の虫も急に鳴き止んだ。テントの中には、ときおり自分が身じろぎする音と、相棒の寝息くらいしか音がない。世界に自分たちしか居なくなったような、そんな感覚を覚え、自由を感じると同時に少しだけぞくっとする。
