THE NORTH FACE MOUNTAIN

©︎Yuki Ueda
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LANDSCAPES

Yuki Ueda, Himalayan Expedition

上田優紀/Himalayan Expedition

“地上の頂点。世界の頂。世界中の全ての山が足元に広がっている。そして僕はそこに立つ。この地球に僕より高いものはもうなかった。生きている喜びが体中から溢れ出していた。”

「Himalayan Expedition」は、風景写真家の上田優紀が2021年の4月から50日余かけて登頂したエベレスト遠征中に撮影した作品群である。元来、100グラム単位での荷物の軽量化を計るアルパインクライミングにおいて、重い撮影機材を背負っての登攀は極めて不合理なことであり、ことさら8000m峰という極限環境は、いかに高度な登山技術を有していても一時の運次第で生死が分かれるという残酷な世界である。それでもなお、こうした状況の中で彼がシャッターを切った写真は、目の前に広がる景色に対する純粋な悦びに満ち溢れている。人間が生存できない死の領域であるデスゾーンにおいて、懸命になりながら一歩一歩足を踏み出し、山頂に到達するまでの道のりの過酷さは想像を絶するものであろう。しかし、絶えず表情を変化させる山の景観には、その場所に立ち会わなければ目撃できないセレンディピティ(思いがけない幸運な出会い)が確かに存在し、上田優紀は自らの生命を削りながらも、奇跡の瞬間の証人となり、私たちにまだ見ぬ景色を届けてくれているのだ。

上田優紀
Ueda Yuki

1988年、和歌山県出身。京都外国語大学を卒業後、24歳の時に世界一周の旅に出発し、1年半かけて45カ国を周る。帰国後、株式会社アマナに入社。2016年よりフリーランスとなり世界中の極地、僻地を旅しながら撮影を行なっている。近年はヒマラヤにて8000m峰を中心に撮影。2018年アマ・ダブラム、2019年マナスル登頂、2021年エベレスト登頂。Instagram @photographer_yukiueda
Twitter @nature_yukiueda

上田優紀 / Ueda Yuki

Date: 2021/10/20
Photography: Yuki Ueda
Text: SUB-AUDIO Inc.

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