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POWERS OF RUN

アスレチックを通じた自然との共生を描くコンセプトムービー

森の中に屹立する建築物、どこまでも続く平原、多くの生命が息づく山水、白銀の雪稜――さまざまなフィールドを走り抜けるランナーたち。
THE NORTH FACE SphereのB1Fのディスプレイで上映されている『POWERS OF RUN』は、走ることを通じて自然を全身で感じるランニングの喜びと、どんなに過酷なフィールドであっても想像力によってコースを見出し、走り遂げることができる人間の力強さを賛美するフル3DCG作品だ。

《POWERS OF RUN》からの抜粋

植物は自ら存在する場所を選択できない代わりに、与えられた環境の中で最大限に適応し、光合成を通じた動物の呼吸に必要な酸素の排出、豊かな土壌を産む落ち葉、生物に栄養を与える果実などを惜しみなく他のすべての生物に与えることで、全ての生命の基盤を提供する。

建築のコンセプトである「もしその場所に建築物が樹木のように発生したのなら?」という言葉は、こうした植物の利他的な貢献のように、1人1人がアスレチックを通じて自然と繋がり、より良い世界を築き上げるための拠点になるという願いが込められている。

《POWERS OF RUN》からの抜粋
《POWERS OF RUN》からの抜粋
《POWERS OF RUN》からの抜粋
《POWERS OF RUN》からの抜粋

また、映像内で引用されているアメリカの詩人、マディソン・カヴァイン(1865-1914)による『ペネトラリア』もまた、こうしたコンセプトと共鳴する作品である。

カヴァインは「自然保護の父」と呼ばれ、ブランドの自然観の大きな霊源の1つでもあるジョン・ミューアと同じ時代を生き、ミューアが国立公園の礎を築くことでアメリカの自然の美しさを守るのと同じように、近代化する都市の問題や、美しい自然の偉大さを詩作を通じて訴え続けた。
また、カヴァインが晩年に出版した作品はTHE NORTH FACEのタグラインである「NEVER STOP EXPLORING」のインスピレーションになったT・S・エリオットへ深い影響を与えているとも言われている。

自然界に存在するさまざまな美しい瞬間の中に自己を投影し、それら全てを自身の延長であると捉えると同時に、世界の中心に愛を据えるこの作品は、人間だけでなく、地球に住まうすべての生命が繋がることで生まれる地球にとってのウェルビーイングの理想の姿を1世紀以上も前から表現していたとも言えるだろう。



“Penetralia” Madison Julius Cawein
『ペネトラリア』マディソン・カヴァイン

I am a part of all you see
In Nature; part of all you feel:
私は、あなたが見る自然の一部であり、
あなたが感じるすべての一部である。

I am the impact of the bee
Upon the blossom;
私は飛び回るミツバチが、
花畑の上にもたらす揺らぎである。

In the tree, I am the sap,-that shall reveal
The leaf, the bloom,-that flows and flutes
Up from the darkness through its roots.
木の中で、私は樹液であり、葉を露わにし、
花を咲かせるだろう――そして、
暗闇から根を巡り、音色を奏でるのだ。

I am the egg that folds the bird;
The song that beaks and breaks its shell;
私は鳥を包み込む卵であり、
くちばしで殻を破る歌であり、

The laughter and the wandering word
The water says; and, dimly heard,
The music of the blossom’s bell
笑い声、そして彷徨える言葉でもある。
水が言う。朧げに聞こえてくるものは、
咲き広がる花々が――

When soft winds swing it; and the sound
Of grass slow-creeping o’er the ground.
柔らかな風に揺られ奏でるベルの音。そして、
草がゆっくりと大地を這い広がるときの音色だ。

I am the seed within the pod;
The worm within its closed cocoon:
私はさやの中の種であり、
閉じた繭の中のいも虫である。

The wings within the circling clod,
The germ, that gropes through soil and sod
巡る土の塊の中の翼であり、
土と草原を手探りで進む胚芽である。

To beauty, radiant in the noon:
I am all these, behold! and more-
真昼に光り輝く美しさよ。
私はそれら全てである、見よ!そしてそれ以上に、

I am the love at the world-heart’s core.
私は世界の中心の核となる愛なのだ。

Art Direction: Ryohei Kaneda(Yes Inc.)
CGI Artist : Kanta Mochida
Research / Copy / Translation: Yusuke Nishimoto(SUB-AUDIO Inc.)