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TSUYOSHI KABURAKI

鏑木毅

TRAIL RUNNER
ザ・ノース・フェイス独自のアップサイクルプロジェクト
EXPLORE SOURCE(エクスプロールソース)に
参加するアスリートが答える、ウェアに宿る冒険の記憶とは?

ウェアに宿るパッションも
誰かの冒険に引き継がれて欲しい

50歳を過ぎ、今なお挑戦を止めないプロトレイルランナー、鏑木毅。彼の姿は世代もジャンルも超え、多くの人々の挑戦を鼓舞する存在となっている。

そんな鏑木が、50歳という節目で挑んだ100マイルレースUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)。 NEVERプロジェクトと題し、満身創痍で挑んだこのレースで着用された一部のアイテムがソースとなって、新たな服へとアップサイクルされる。
Strike Trail Hoodie FLIGHT SERIES
Strike Trail Hoodie FLIGHT SERIES
- このウェアから連想されるキーワードは?
勝負ジャケット。
- どんなところから、そう感じましたか?
防水性と高い透湿性を保ちながらも軽量かつ身体にフィットする裁断。ギリギリの勝負の場に適したジャケットだからです。
- よく着ていたのはトレーニング? それともレースですか?
パフォーマンスを最大限に発揮したいレースシーンです。楽しむトレイルランのシーンではなく、真剣勝負の場面で着用していました。
- このウェアにはどんな思いが宿っていますか?
「アスリートが全力で闘えるように」そんな思いでウェアを開発してくれた開発担当者の思い。
- 着用してきた中で、印象深いシーンを挙げるならば?
このウェアを着ていたシーンで思い出されるのは、2019年のUTMBのレース中です。 気温が低下する夜間のアルプスの山岳区間で、このウェアを着用することでパフォーマンスをキープすることができました。

かつて、自分は2009年のUTMBで3位でした。これはいまだに日本人最高位なのですが、そこから10年が経って、50歳になる年(2019年)に再びUTMBに挑みました。 NEVERプロジェクトと題して、全身全霊で、命がけのチャレンジでした。

このレースのゴールには、かつて競い合った友人や数年にわたってサポートしてきてくれた仲間、そして妻と娘。 本当に様々な人が出迎えてくれました。あの時間は一生の宝ですね。
- そのレースで得たものとは何でしょうか。
今まで応援してくれた人々への感謝、家族(妻・娘)への感謝、それと50歳から先の、自分への新しい自信でしょうか。
- そうしたレース体験、そこで生まれた思いなどを宿したウェアがアップサイクルされていく。率直にどう思いますか?
ウェアとともに自分のパッションも誰かの新しい冒険に引き継がれて欲しいと思いますね。
- 捨てるのではなく託すというウエアの循環は、これから何を生み出すと思いますか?
「思い」といった感情はカタチあるものではありませんが、敢えてその時の「思い」がカタチとなったウェアを誰かに引き継ぐことで、後世に目に見えるウェアとして自分の思いが伝播される、そこにこの仕組み(EXPLORE SOURCE)の素晴らしさを感じます。
- あなたにとっての冒険とは?
冒険があるから日々努力できる、努力なくして何も成しえない。とりわけ50歳を過ぎた私には、冒険は心も身体も衰えさせない大きな存在なのです。
- あなたの冒険を託された人へ、最後にひと言メッセージをください。
その時の冒険だけでなく、そこに至る努力の日々も含めて、思いを受け継いでくれたら嬉しいです。
Strike Trail Hoodie FLIGHT SERIES

Tsuyoshi Kaburaki

鏑木毅
2009年世界最高峰のウルトラトレイルレース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(通称UTMB、3カ国周回、総距離166km)」にて世界3位。また、同年、全米最高峰のトレイルレース「ウエスタンステイツ100マイルズ」で準優勝、48歳で南米パタゴニアでのウルトラ・フィヨルドにて準優勝。2019年8月にはNEVERプロジェクトのもと再びUTMBへ挑戦した。近著に『MINDSET〜50歳ゼロからの世界挑戦~』などがある。現在は競技者の傍ら、講演会、講習会、レースディレクターなど国内でのトレイルランニングの普及にも力を注ぐ。アジア初の本格的100マイルトレイルレースであり、UTMBの世界初の姉妹レースであるウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)の大会会長を務める。
Tsuyoshi Kaburaki / 鏑木毅