平山ユージ、野口啓代、楢󠄀﨑智亜をはじめ、世界的なクライマーをサポートするザ・ノース・フェイスが、スポーツクライミングのオフィシャルサプライヤーとして、日本代表チームへのウエアサポートをスタートしたのは、2005年。以降、トップクライマーのパフォーマンスを最大限に引き出すメイドインジャパンのユニフォームと、世界に挑む日本代表選手は高みを目指し歩んできた。スポーツクライミングにとってのビッグニュースが発表された2016年以降、日本とアメリカのザ・ノース・フェイスによる共同プロジェクトとして、かつてないスケールでスポーツクライミング競技用のユニフォーム開発をスタートした。日本山岳・スポーツクライミング協会、強化選手やアスリートも開発に参加。4Dスキャナーを使用しアスリートの動きを予測する、クライミング時の動作を解析するなど「ゴールドウイン テック・ラボ」の先進的なテクノロジーにより、各選手に対して、繊細かつ高度なカスタマイズを実現。トップクライマーの意志とザ・ノース・フェイスの技術を結集して、史上最高のクライミングキットが完成した。そして2021年、世界の舞台で、日本、アメリカ、韓国、オーストリア4カ国の代表選手が着用する。スポーツクライミングにとっての歴史的な1ページを飾るユニフォームになるに違いない。

PROJECT SLOGAN

1. 身体的に、また精神的に“自分は最高のクライマー”だと感じ、
 最高のパフォーマンスを引き出すウエア
2. 競合に対し有利なアドバンテージを付加する
3. クライミングの競技特性、そして国を代表している自負・プライドを体現する

開発プロジェクト発足当初、この3つのプロジェクトスローガンを掲げ、
「他国より圧倒的に有利となるほどパフォーマンスアップするウエア」を目指した。

テクノロジーから導き出された機能の柱
MOTION/LIGHT STRONG/COOLING

「スポーツクライミング」とは一般的に「スピードクライミング」「リードクライミング」「ボルダリング」、この3種目の総称である。今回のクライミングキットでは、これまでのクライミングウエアを高次元でアップデートした「リードクライミング/ボルダリング(以下、リード/ボルダー)用」と、競技時のスピードロスを軽減し加速をサポートする革新的な「スピードクライミング(以下、スピード)用」ボディスーツを新たに開発。クライマーがウエアに求める要素やクライミングの競技性、そして、ユニフォームが使用される大会での気象条件を鑑み、機能性においては3つの柱を打ち立てた。

「MOTION」「LIGHT STRONG」「COOLING」。その上で、それぞれの競技特性と、競技時のアスリートの動きや筋肉の活動を徹底的に解析し、ニュートラルポジションを算出。リード/ボルダーウエアは、ウエアのストレスを限りなく排除し、集中力を低下させないパターン設計。スピードスーツはダイナミックな動きを妨げずに素早い足上げをサポートする設計となっている。また、着用する選手全員に対し1〜3回程度、4Dスキャナーを使用し採寸、動きを予測した高度なパーソナライズを実現している。

SPEED
BEYOND ABILITY
スピードアップを補助する
0から+へ

TECHNOLOGY
・汗が溜まりやすい胸元と背中にレーザーホールを施し通気を促す。
・股関節の動きに合わせて張力のあるプリント加工を施し素早い足上げをサポート。
・素早くダイナミックな動きに追従する 4wayストレッチのトリコットニットを採用。

LEAD/BOULDER
BETTER THAN NAKED
動きを阻害する要素をすべて排除する
−を0に

TECHNOLOGY
・汗が溜まりやすい胸元と背中にはレーザーホールを施し通気促す。
・体の伸びに応じて開閉するレーザーベンチレーションを施し、上半身にこもる熱を拡散。
・腹部には動きを妨げないストレッチ性を保ちつつ迫り出したホールドにもひっかりにくい、
 超軽量の布帛素材を配置。
・腰部は大きな脚さばきや腰周りの動きに追従するよう4wayストレッチのトリコットニットを採用。
・脚部にはストレッチ性を兼ね備えた超軽量の布帛素材を使用。

クライマーの個性を尊重し、各国旗の個性を讃える

日本、アメリカ、韓国、オーストリアの代表選手が着用する、日米のザ・ノース・フェイス共同開発による初のクライミングキット。スピードスーツとリード/ボルダー用のウエア合わせて男女各15型のルックを製作。リード/ボルダー用は各選手が自分のスタイルや好みに応じてルックをチョイスすることを可能にしている。胸に配された国旗のデザインのインスピレーションは、ブランドのルーツであるスイスデザインから。シンプルさと大胆さを基盤としたこの哲学は、ザ・ノース・フェイスのアイコンであるハーフドームのロゴが誕生して以来、ブランドのビジュアル・アイデンティティに反映されている。ユニフォームのデザインは、これらのデザイン原則に基づき、アイコニックなミニマリズムとベーシックなデザインを重視し、アスリートの技術的なニーズを満たすと同時に、各国の国旗の個性を称えるものとなっている。