SEABIN by HH 始動!横浜・八景島シーパラダイスにSEABIN設置
Clean Up #1

SEABIN by HH 始動!横浜・八景島シーパラダイスにSEABIN設置

SEABIN
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SEABINは海洋浮遊ゴミを回収する装置です。2014年に生まれ、今では世界各国に広がり、2021年3月時点で39カ国、約860台が設置され、約175万kg(25mプール約5杯分)の海洋浮遊ゴミが回収されています。マリーナ、港湾、および穏やかな環境であれば、あらゆる水域の水中に設置できます。推定平均捕獲量は、1日当たり1.5kgで、2mm超のマイクロプラスチックゴミもキャッチ可能です。SEABINは完全無人、年中無休で働く画期的なゴミ収集方法で、今も世界中でゴミを収集しています。

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HELLY HANSENが始めるSEABINプロジェクト

SEABIN by HH 始動!横浜・八景島シーパラダイスにSEABIN設置

生き物を育む海は、漁船から捨てられた魚網、浮き、ロープや陸地から流れ出たプラスチックゴミなどにより汚染されています。海が健康でなければ地球の生命は繁栄していくことができません。このままでは近い将来、人も生きられなくなってしまいます。
HELLY HANSEN は、地球の水資源を守り、より良い環境にしていくために様々な取り組みを実行していくプロジェクトである、「H2O PROJECT」を2021年6月よりスタートしました。
このプロジェクトは私たち人間をはじめ生き物には欠かせない“水”と“海”を守ることを目的としています。
HELLY HANSENでは、これまでビーチクリーンや、廃棄されるヨットのセイル(帆)をアップサイクルする取り組みなどを行ってきました。

そして、新たに直接的に”海”の環境を改善する取り組みとして、海洋浮遊ゴミを回収する装置「SEABIN(シービン)」の設置を行います。

うみファーム × HELLY HANSEN 
横浜・八景島シーパラダイス協業ストーリー

SEABIN by HH 始動!横浜・八景島シーパラダイスにSEABIN設置

【うみファーム】は、自然の海を舞台に、海の環境で生きたものたちを「観る」「知る」「獲る」「食べる」ことを通じて、海の環境を身近に感じ、そして考えるための“海育”をコンセプトとした水族館です。
HELLY HANSEN と うみファームは、互いに海を大事にするということに共感し、この度協業にいたりました。
そして私たちとして海のためにできることを1つずつアクションしていくことを決めました。

そのスタートがSEABINによる海ゴミ回収プロジェクトです。

横浜・八景島シーパラダイスの うみファーム内にSEABINを共同で設置し、”海をきれいにする取り組み”を推進していきます。
横浜・八景島シーパラダイスの周辺にもたくさんのゴミが流れ着きます。SEABINを設置しても全てのゴミを収集することはできません。しかし、うみファームで実施している海の豊かさや環境問題を知ってもらうガイドツアー「東京湾ワンダーウォッチャーズ」にSEABINゾーンを組み込むことで、多くの人に問題を知ってもらうきっかけをつくります。

私たちの目指すこと

海洋ゴミ問題はとても大きな問題ですが、必ず何かしら一人一人にできることがあります。あなたなら何をしますか?

私たちは、一人でも多くの人が海の環境悪化問題に目を向けてくれることを願っています。

そのためHELLY HANSENは今後も、SEABINを日本各地の海に設置することを予定しています。収集したゴミを分析することで、日本各地の海をより知ることができます。また、集まったゴミを目の前で見ることができるので、環境教育の題材としても有効だと考えています。

うみファームではSEABINの他にも、ワカメ・コンゴを育成し、二酸化炭素の削減を図る横浜ブルーカーボンなどさまざまなSDGsの取り組みを行っています。うみファーム内では魚を実際に釣ることができ、フライやグリルにして食べることができるエリアがあったり、海洋ゴミ問題を自分事としてふれられる仕組みがあります。
SEABIN設置により多くの人が関心を持つきっかけをつくります。

SEABINが集められるゴミの量は、世界の海に浮く海洋浮遊ゴミ全体に比べると氷山の一角にすぎません。ですが、回収したゴミをデータとして可視化・分析できるため、海をきれいにするヒントを得られます。それらを教育や科学につなげ、価値ある社会変化に導き、海をきれいにするためのコミュニティ構築を目指します。

SEABIN by HH 始動!横浜・八景島シーパラダイスにSEABIN設置

これからの発信について

今回はSEABIN by HH第一弾として、横浜・八景島シーパラダイスへ設置しました。今後、日本各地に設置場所を増やし、全国各地の海について理解を深めていきたいと考えています。収集したゴミに何が含まれているか?各地の海ごとの特徴は何か?などをレポートしていきます。乞うご期待ください。

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Words

海洋ゴミ問題

既に世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン。そこへ少なくとも年間800万トン(重さにして、ジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定されています。海洋ゴミの影響により、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物、ウミガメを含む少なくとも約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしています。このうち実に92%がプラスチックの影響、例えば漁網などに絡まったり、ポリ袋を餌と間違えて摂取することによるものです。プラスチックごみの摂取率は、ウミガメで52%、海鳥の90%と推定されています。
WWFジャパン(2018)

SEABIN設置台数

SEABINは漁港、マリーナ、ヨットクラブ、溜池、湖および穏やかな環境で利用可能です。現在、SEABINは世界に860台の導入実績がありますが、日本では全く普及していません。世界の海を汚すゴミの30%はアジア諸国から出たゴミと言われています。SEABIN by HHで少しでもその状況を改善できればと考えます。

Text by 伊藤聡士 / Photo by 吉森慎之介