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        SPACEFLIGHT 2021
        この春、MXPは宇宙へ

        SPACE
        画像提供:JAXA/NASA
        INTRODUCTION
        国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、株式会社J-Spaceと共同で、宇宙飛行士が船内で着用する下着として開発されたMXP。その技術は、複数の日本人宇宙飛行士による国際宇宙ステーション(ISS)内での着用を繰り返すことによって培われてきました。 そしてこのたびMXPは、2021年4月22日に地球を飛び立ち、ISSに長期滞在するJAXA宇宙飛行士・星出彰彦氏に、ISS船内で着用するウエアを提供します。
        国際宇宙ステーション(ISS) 画像提供:JAXA/NASA
        TECHNOLOGY
        水が貴重な国際宇宙ステーションでの生活では、地上のように自由に入浴や洗濯をすることができません。また搭載する物品の量に制限があり、頻繁に着替えることもできません。
        そこで、株式会社ゴールドウインは、宇宙飛行士がより快適にISS船内で暮らせるように、国立研究開発法人航空研究開発機構(JAXA)、株式会社J-Spaceと共同で、消臭機能、抗菌機能に優れた素材「マキシフレッシュプラス」(注1, 2)を採用したウエアを開発。宇宙での試着・着心地の確認を経て2010年に誕生したのが、宇宙下着ブランド・MXPです。

        (注1)マキシフレッシュプラス
        ユーカリの木や廃材、間伐材を原料にした「再生繊維」にカルボキシル基(-COOH)をナノテクノロジーで加工したマキシフレッシュにポリウレタンを加えた素材で、汗のニオイや加齢臭の原因物質であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールを中和・吸着し消臭します。

        (注2)JAXAとの取り組み
        日本女子大学の多屋淑子教授をリーダーとし、株式会社ゴールドウインもメンバーである「近未来宇宙暮らしユニット」が、2004年12月にJAXAの「宇宙オープンラボ」制度に応募・採択されたことにより、宇宙での生活支援技術に関する開発に参加しました。本制度において開発された消臭素材「マキシフレッシュプラス」を使用した「宇宙パンツ(下着)」の試着・着心地の確認は、2008年から日本人宇宙飛行士により国際宇宙ステーションで行われました。
        MXP開発初期に宇宙での試着に使われたモデルのサンプル(非売品)
        ASTRONAUT
        星出宇宙飛行士は2021年4月22日(木)打ち上げのスペースX社・クルードラゴン運用2号機に搭乗し、その後約半年間にわたりISSにて様々な実験を行います。今回のミッションは星出宇宙飛行士にとって3度目の宇宙飛行であり、日本人として2人目となるISS船長を務めます。

        2008年にISSの日本実験棟「きぼう」の組み立てミッション、2012年にISS長期滞在を経験している星出宇宙飛行士は、初回はアメリカのスペースシャトル「ディスカバリー」号、2回目はロシアのソユーズでISSと往還しており、このたびスペースX社のクルードラゴン宇宙船に搭乗することで、3タイプの宇宙船によるフライトを達成することになります。
        船外活動(EVA)実施時の星出宇宙飛行士 画像提供:JAXA/NASA
        画像提供:JAXA/NASA
        星出彰彦|AKIHIKO HOSHIDE
        1968年東京都生まれ。1992年宇宙開発事業団(現JAXA)に入社。1999年3度目の挑戦で、ISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として選抜される。2001年宇宙飛行士として認定。2008年6月スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗してISSへ。約4週間滞在して日本実験棟「きぼう」船内実験室のISS取り付け作業などに参加。2012年7月ソユーズ宇宙船に搭乗してISSへ。約4か月間滞在し、小型衛星放出や3回の船外活動などを行った。
        画像提供:JAXA/NASA