からだあそびレシピ – 実践編

「半分煙人間」 & 「木に寄りかかる」 by 大脇家(大脇理智・イフクキョウコ・大脇凡)

  • からだあそびレシピ
  • 2022.8.26 FRI

 ダンサーの福留麻里とAokidが提案する、からだで地球を遊ぶためのことばのレシピ。約1年間連載を続けてきたレシピを、山口県が拠点の福留と東京が拠点のAokid、それぞれがチームを組み、いくつか実際に挑戦。
 今回は福留チームの「半分煙人間」(レシピ考案:福留麻里)と「木に寄りかかる」(レシピ考案:福留麻里)。ゆらゆら揺れる煙のような体になった人間はどうそこにいることができるでしょう。木に体を預けて木を感じながら重力の感じ方も変えてみる。そこに「いる/ある」ことを問い直すようなふたつの実践です。

「半分煙人間」

「半分煙人間」


からだの半分は人間

からだの半分は煙

たとえば 上下 

上が煙 下が人間 のとき



上が人間 下が煙 のとき

どんなふうに違うか感じてみる

右と左 や おなかと背中も やってみる

煙の足で地面を踏む

煙の背中で寄りかかる

人間の右手と 煙の左手で拍手する

半分煙のまま 誰かと話す(半分煙なことはひみつ)

色々な時間をすごしたら

最後は全部人間に戻る

「木に寄りかかる」

『木に寄りかかる』


木に寄りかかる

ひとりでは 立てない角度で

自分の体重を 木の幹に渡す

木の温度を からだで受け取る

木と自分の 中身を交換する

出演
大脇家(大脇理智・イフクキョウコ・大脇凡)
山口県在住。2017年から毎年「鳥取夏至祭」で踊っている家族。理智=メディアアーティスト、キョウコ=ダンサー、凡=森の子。子は踊ることを「うたっている」と言う。2021年鳥取夏至祭で発表した家族総出制作・出演のダンス映像が好評を得る。

スタジオイマイチ/イマイチダンス

撮影/編集
時里充
1990年兵庫県生まれ。2010年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー [IAMAS]、2012年多摩美術大学卒業。画面やカメラに関する実験と観察を行ない、認知や軽量化といったデジタル性に関する作品を制作発表。小林椋とのユニット「正直」などでライヴ活動を行なう。

Official HP

コーディネート
福留麻里
ダンサー・振付家。2001年よりダンスデュオほうほう堂として活動。2014年よりソロ活動開始。ダンスのはじまりや、ダンスになる手前にある可能性を探り、劇場やギャラリーをはじめ、道、川原、公園、誰かの家、誰かや何かとのコラボレーションなど、いくつものやりとりから生まれる感覚や考えや動きを見つめ紡ぎながら、様々な場や状況、人と共に踊っている。 Official HP