からだあそびレシピ – 実践編

「半分煙人間」 & 「影の世界」 by 篠崎芽美 & あり

  • からだあそびレシピ
  • 2022.8.29 MON

 ダンサーの福留麻里とAokidが提案する、からだで地球を遊ぶためのことばのレシピ。約1年間連載を続けてきたレシピを、山口県が拠点の福留と東京が拠点のAokid、それぞれがチームを組み、いくつかのレシピを実際に挑戦。今回はAokidチームが「火」と「光」のレシピを実演。
 Aokidチームは、福留チームもやってみた「半分煙人間」を親子二人バージョンで。その場で動いた福留チームとは違って、二人は動きながらフワフワ、グニャグニャの煙の体と付き合っていきます。ものや相手の影に反応しながら動きをつくっていく「影の世界」。実体である体が虚像の影に操られるような、操っているような不思議な感覚になってきます。ぜひお試しください!

「半分煙人間」

「半分煙人間」


からだの半分は人間

からだの半分は煙

たとえば 上下 

上が煙 下が人間 のとき



上が人間 下が煙 のとき

どんなふうに違うか感じてみる

右と左 や おなかと背中も やってみる

煙の足で地面を踏む

煙の背中で寄りかかる

人間の右手と 煙の左手で拍手する

半分煙のまま 誰かと話す(半分煙なことはひみつ)

色々な時間をすごしたら

最後は全部人間に戻る

「影の世界」

『影の世界』


身の回りにある影を

できるだけたくさん見つける


壁や床 道路 部屋のすみ

テーブルの上や食器

木の幹や葉 

誰かの顔やからだ 


その色々な影に じぶんの影で近づく

影のふちを 影でさわった

影の中に 影で出入りした

くっついて 大きくなったり

影と影で 面白いかたちや

新しい生き物を つくったり


光との距離を調節しながら

じぶんの影の 濃淡や大きさを変えながら

からだの重さを忘れて

影と影の 世界であそぶ

影と影で 世界をつくる

出演
篠崎芽美
高校在学中に専門的なダンス経験がないにも拘らず「珍しいキノコ舞踊団」の門戸を叩き、その後の作品に参加する。二児の母となった現在はダンスを踊る傍ら、子供連れで受けられるピラティス教室やダンスワークショップを各地で行う。 2016年「ダンス保育園!!」の発足に参画。2018年より子どもと表現をテーマにしたパフォーマンスイベント「ヒョーゲンのメメメ」を主催。Instagram:memi_shinozaki

あり(長女)
8歳。好きな飲み物は牛乳。算数がちょっと苦手。

撮影/編集
黑田菜月
写真家。1988年、神奈川生まれ。2011年、中央大学卒業。2013年、8回写真「1_WALL」にてグランプリを受賞。2016年からは横浜市立金沢動物園にて毎年行われているメディアアート展「ひかるどうぶつえん」に参加。2019年には同園にて写真と映像のグループ展「どうぶつえんの目」横浜市立金沢動物園(神奈川)を企画した。

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コーディネート
Aokid
ブレイクダンスをルーツに持ち美術大学在学中よりダンスの作品化やプロジェクトやイベントの企画、またドローイングや映像など多義に渡る制作活動を展開。個展「僕は”偶然のダンス”の上映される街に住んでいる。」、ソロダンス作品「地球自由!」など。様々なアーティストと公園内を移動しながら発表や発表未満を行い合う「どうぶつえん」の開催は13回を数える。

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