素手のように、動かせる。 2026.8.7
( vol.14 )
ゴールドウインのスタッフがお届けするアイテム連載。
夏山シーズン真っ最中の今号では登山を楽しむ、2名が登場。
いつも山で使っている、偏愛アイテムを紹介します!
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中学から剣道に打ち込み、留学先のオーストラリアでは現地の子どもたちに指導をしていたほど。休日は関西近郊の山を歩いたり、バイクでふらっと景色を見に出かけるのが楽しみ。温泉マニアでもあり、各地の温泉を巡って泉質を記録するのも欠かせない。毎年の長期休暇は長野で過ごすのが定番で、昨年は北アルプスの大キレットを縦走。
Q. 登山を始めたきっかけを教えてください。
小さい頃から家族とキャンプに行く機会が多くて、自然に親しんできました。大学生になって行動範囲が広がって、自分でも山へ行くようになりました。もともと剣道をやっていたのですが、自分の力で一つひとつ乗り越えていくところが登山と共通しています。しんどいけどもう一歩行こうと思える性格が、登山の面白さと合っていたのかもしれません。
Q. 普段はどういった山を登るんですか。
普段は関西近郊の山が多いのですが、遠出をするときは長野方面にもよく行きます。THE NORTH FACEで働き始めた頃に初めて北アルプスに行き、すっかりハマってしまって。関西には標高の高い山や、山小屋があるような山があまりないので新鮮で、毎年通うようになりました。
Q. 毎年通うほど、長野には魅力があるんですね。
山や自然が素晴らしいのはもちろんですが、人も素敵で。みんなフレンドリーで、おおらかで、行くとほっとします。それに温泉が多いのも魅力ですね。下山後に息抜きしたり、泉質表の写真を集めるのも楽しみです。
Q. 昨年は北アルプスにある難所・大キレットに挑戦されたそうですね。
不帰キレットに行ったことがあって、一つ行ったなら三大キレット全部やりたいなと思ったんです。八峰キレットだと同じ白馬エリアが続いてしまうので、じゃあ大キレットに行こうかと。特別に備えたというよりは、今までやってきたことの中で一番レベルの高いルートをやってみよう、自分の力を試してみたいという気持ちで行きました。
Q. 実際に歩いてみて、印象に残っている景色はありますか。
夜明け前に槍ヶ岳を出発して、大キレットの全景が見えたタイミングで、ちょうど朝日が出てきて、本当に綺麗でした。圧倒されるような迫力と緊張感のあるルートでしたが、それ以上に美しくて、「早く行きたい」という気持ちが湧いたのを覚えています。上まで登ってきた人しか見られない景色なので、頑張ったご褒美でした。
Q. 反対に、ヒヤッとした場面はありましたか。
実は高所恐怖症なので、岩壁に打ち込まれた金属のステップに足を乗せて進むような場面は、少し怖かったです。足元が切り立っていたり、落石も発生しやすい場所なので、注意を切らさないようにしていました。
Q. 無事に歩き切った後は、どんなふうに感じましたか。
やりきったという気持ちと、終わってしまったという気持ちが半々でした。私は登山の中でも、足だけでなく手も使い、考えながら登る岩場が好きなんです。大キレットはずっと岩場が続くので、まるでアスレチックのようでした。緊張感はもちろんありましたが、それ以上に楽しかったですね。
Q. 山での経験を活かした取り組みも、お店でされていると聞きました。
いまはお店でイベントも担当していて、登山にまつわる勉強会のようなことも行っています。先日は北アルプスを目指している方に向けて、山小屋泊の行程や必要な装備、レイヤリングについてお話ししました。実際に一緒に山へ行くイベントも開いています。お店のInstagramでご案内しているので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。
Q. 偏愛アイテムを教えてください。
岩場が好きなので、手汗で滑らないように必ず持っていくビレイヤーグローブです。
Q. お気に入りのポイントを教えてください。
革の柔らかさもフィット具合も本当にちょうどよくて、素手のような感覚で動かせるところが気に入っています。
Q. 手を使う岩場では、グローブ選びにもこだわりがありそうですね。
まず自分の手に合うかどうか。自分の皮膚みたいに動いてくれるものがいいですね。柔らかさがありながら、手を守ってくれる程よい厚みもあります。グローブは結構こだわりがあって、なかなか自分に合うものがなかったのですが、これは本当にぴったりとはまってくれました。
Q. 他のグローブと比べて、どういった違いを感じますか。
他ブランドも含めていくつか試してきました。指の動かしやすさを優先して薄いものを選んで、破れてしまったこともあります。その点このグローブはヤギ革を使っているので、強度もしっかりしていて、馴染みの良さにもつながっているのかなと思います。それと、手の力を抜いて自然に下ろしたときのように、湾曲した形になっているので、突っ張る感じがないところも良いです。
Q. 登山でグローブをつけるメリットは、どんなところにありますか。
素手だと、汗をかいて滑ったり、岩をつかんだ時に小傷がついてしまうことがあります。登山に集中しているときは、小さな痛みでも気が散ってしまいます。そういう小さなストレスや、ちょっとした「危ないな」を防いでくれるところがいいと思います。
Q. 素材以外にも特徴はありますか。
置いた状態でも少し湾曲した形になっているところですね。手の力を抜いて自然に下ろしたときの形に沿っているので、付けていても突っ張る感じがなく、ストレスが少ないです。
Q. 思い出に残っているエピソードはありますか。
本当にいつも使っているので、特別なエピソードと言われると絞り込めないですね。大キレットでもそうですが、登山に行くと写真をたくさん撮るんです。そんな時に、このグローブは黄色が目立つので、写真がすごく映えて。利便性はもちろん、そういった部分でも、たくさんの思い出があるアイテムです。消耗品なので、今のうちに予備を買っておこうかな(笑)
岩場の動きに、応える一枚
汗になる前から、肌はドライ
山の天気に、ひとつの正解
山ではやっぱり天気が重要!自分で天気図を読めるようになりたくて、気象予報士を目指して勉強中。来年の試験で合格したいです!
登山歴は15年以上で、トレッキングを中心にトレイルランニングやクライミングも楽しむ。日帰り登山、テント泊登山など、春夏秋冬さまざまな山を歩いてきた。普段は丹沢や奥多摩など関東近郊の山を中心に、連休には長野のアルプスをはじめ全国の山を巡る。ひとり山と向き合う、単独登山も楽しみのひとつ。
Q. 登山を始めたきっかけを教えてください。
もともと一人旅が好きで、北海道に行ったときのことでした。観光でも入れる一般コースとは別に登山用のコースがあって、その時はまだ経験も装備もなかったので入ることができなかったのですが、その先はどうなっているんだろうと単純に気になりました。より深い自然や景色を見たいという気持ちとともに、登山自体への関心が湧きました。そこからいろいろ調べ、装備を揃えたりしながら、まずは近場の比較的安全な低山から始めました。
Q. 登山のどんなところが好きですか。
あまり深く考えたことはないのですが、とにかく山に入っていること自体が楽しいんです。山頂を目指すという一つの目的があるので、余計なことを考えず、目の前のことにのめり込める。無心になれるところが、自分には合っていたのかもしれません。
Q. 特に印象に残っている山はありますか。
冬の甲斐駒ヶ岳や西穂高ですね。自然が相手なので、事前の計画通りや思い通りにいかない部分もありました。過酷な行程でしたが、そこから学んだことや次への反省点も含めて、強く記憶に残っています。
Q. さまざまな経験を経て、心がけていることはありますか。
事前準備、特にルートの確認をしっかりすることですね。そして、何年経っても自分をベテランだとは思わないこと。装備も安全性や快適性に関わるので、山や行程、季節に合わせて使い分けています。山に入ったあとに後悔したくないという気持ちが強いです。
Q. 山での経験が生きる場面はありますか。
登山の楽しみ方は人それぞれなので、お店では一人ひとりに寄り添った情報を届けることを心がけています。その中で、登山に伴うリスクについても、きちんとお伝えするようにしています。
Q. 偏愛アイテムを教えてください。
2021年に購入して、今も現役で使っているアプローチシューズのヴェルト A1 フューチャーライトです。
Q. どういったところが偏愛ポイントですか。
まずデザインですね。アプローチシューズでありながら、スニーカーのようなかっこよさがお気に入りポイントです。防水性など、機能面もしっかりしていて、ずっと愛用しています。
Q. 機能面で、気に入っているポイントを教えてください。
ソールのグリップ力が高く、さまざまな地形や路面でも、足元をしっかりと支えてくれる安心感があります。また靴底の面積が広いので、下りのときに足の接地面が広くて安定しているように感じます。
Q. 防水性についてはいかがですか。
防水透湿素材のFUTURELIGHT™を採用しているので、ちょっとした沢なら気にせず入っていけるほどです。
Q. どんな山で履くことが多いですか。
特に岩場が多い山との相性がいいと感じていますが、ちょっとしたハイキングでも使いますし、スニーカーに近いデザインなので、街で履くこともあります。一番出番が多い一足と言えるほど、気づけばいつも履いています。
夏も、軽やかな一本
手に馴染み、手を守る
一足で、季節をまたぐ
海外の山とアルパインにも挑戦したい!まずはロープワークを学ぶところから、少しずつ準備していきたいです。
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