はじめての山小屋泊登山
 楽しみ方とおすすめウェア

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梅雨が明け、夏本番になるとアルプスなど高山のベストシーズンに。山小屋を利用すれば、安心して夏山を楽しむことができます。山小屋泊登山のノウハウとおすすめの製品を当日の行程に沿ってご紹介します。

はじめての日帰り登山はこちらから
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山の上で過ごす、かけがえのない時間
日帰り登山ではたどり着けない景色。
時の移ろいを楽しめる静かな山上。
耳心地がいい自然の音。
山で宿泊すると、登山の楽しみがパッと広がります。
山小屋は事前予約を
山の上にありながら、安全な空間であたたかく登山者を迎えてくれるのが山小屋。山での宿泊がはじめてでも、安心して過ごせます。

疲れた体に活力がみなぎるホカホカのごはんも、楽しみのひとつ。山小屋ごとに工夫をこらしたメニューは見事なものです。

こうした食事などの準備や定員数もあるため、山小屋に泊まるときはWEBサイトなどから事前予約が必要です。もしも体調不良など行けなくなった場合は、分かり次第すぐにキャンセルの連絡をいれましょう。
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山小屋に向けて、いざ出発!
出発前に、登山計画書の提出とケガ予防の準備運動を忘れずに。山小屋までは長時間行動になるため、トイレもすませておきます。
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登り始めは保温を意識
標高が高い山を登るときに気を付けたいのが、汗による冷え。汗に濡れたまま稜線で風に吹かれると体がより冷やされるため、汗をかきすぎないようにレイヤリングで調整しましょう。

登り始めは準備運動で温めた体が冷えないように、保温を意識したレイヤリングを。
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マナーも歩き方も日帰り登山と同じ
守りたい登山マナー
・ほかの登山者へのあいさつ
・登山道ですれ違うときは登り優先
・ごみは持ち帰る
・植物や石などを持ち帰らない

みんなで山を楽しむために、マナーを守りましょう。
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疲れない登り方
・フラットフッティングでグリップ
・一歩一歩、小股で大きな段差を避けて登る
・胸を張って呼吸をしやすく、状況を確認しやすいように

標高が高くなると酸素が薄くなります。いつもよりゆっくりめのペースで、意識的に深く呼吸すると楽に登れます。
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水分や行動食は、行動中の合間や休憩中にしっかり補給しましょう。

山では水を簡単に得られないため、余裕をもって準備すると安心です。一般的には、1日約2リットル必要といわれています。
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近づく頂上、変わる環境
標高を上げていくと、高い木が生育できず森林を形成できない限界線「森林限界」を越えます。
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吹きさらしの稜線では防風対策を
森林限界を越えた稜線では、風に吹きさらされます。気温が低いときや強風のときは事前にレインウェアやウィンドシェル、アクティブインサレーションなどを着て、体温を守りましょう。

手指は冷えやすいため、薄手のグローブがあるとあたたかく行動できます。
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忘れてはならない紫外線対策
稜線には日差しを遮るものがありません。体にダメージを与える紫外線にもしっかり対策しましょう。

日焼け止めはもちろん、帽子やサングラスを装着して頭周りをガード。アームスリーブや長袖の着用もおすすめです。
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グリーンロープ内を歩く
登山道に張られたグリーンロープは、自然環境を守るためのもの。過酷な高山の環境に生育する植物は希少で、成長に何十年もかかるものもあります。
グリーンロープ内に立ち入って踏んだり採ったりするのは、ルール違反です。ルールを守って登山を楽しみましょう。
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山の上に泊まるからこそ、たどり着ける景色
樹林帯も森林限界を超えた稜線も一歩一歩登り詰めて、標高2,760mの山頂に!
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視界を遮るものはなく一望にできる、残雪残るアルプスや人々が暮らす街並み。視線を下に落とすと、登ってきた道のりや山域特有の景色も楽しめます。
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山頂を満喫したあとは、いよいよ山小屋へ。
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ついに山小屋に到着!
山小屋には、15時くらいまでに到着するよう計画を立てるのが大事。

ひとつには、遅い時間の行動は遭難などのリスクが高まるため。そして、夕方以降は山小屋スタッフは食事の準備に追われて応対が大変になるためです。ルールではないですが、守りたいマナー。

もし到着が遅れそうな場合は電波の入るところで、山小屋の人が心配しないように連絡を入れましょう。
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到着したら、まずはチェックイン
宿泊費の支払いは、なるべくおつりが出ないように現金を用意しておきましょう。山小屋では市街地とちがって、お釣りの現金を多く用意できないためです。

クレジットカード支払いやQRコード決済ができる山小屋もあるため、WEBサイトなどで事前にチェックしておきましょう。

チェックインが終わると、スタッフから施設の案内や使用ルールなどを案内していただきます。不安な点や分からないことは、このときに聞いておきましょう。
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お水のこと、トイレのこと
お水は山小屋によりますが、自由に汲めたり、購入したりできます。

トイレにはルールがあります。チップ制だったり、トイレットペーパーは流さず専用ゴミ箱に捨てるなど、山小屋のルールを確認して使用しましょう。
山小屋に着いたらやっておきたい、
6つのこと。
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1.登山靴は間違えないように目印を
まず山小屋に入る前に登山靴の汚れを落としましょう。

同じ靴や似たデザインの靴を履いた登山者も泊まっているため、取り違えがよくあります。そんなトラブルを防ぐために、アクセサリーカラビナなどで目印を付けましょう。山小屋で札などが用意されている場合もあります。

インソールを抜いてしっかり乾燥させておくと、翌日も快適に履くことができます。
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2.濡れたものは乾燥室へ
雨に降られて濡れたレインウェアなどは、乾燥室に干しましょう。ほとんどの山小屋ではハンガーが用意されていますが、本数には限りがあるためルールは守りましょう。
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3.就寝スペースの荷物整理
多くの登山者が泊まれるように、共同の部屋に一人分の寝るスペースは最小限です。周りに迷惑がかからないよう、荷物を散らかさずにしっかり整理すること。整理しておくと、どこに何があるのかを把握しやすくもなります。
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4.汗をさっぱりする
山の上ではほとんどの場合、お風呂には入れません。汗を拭いたり、ウェアを着替えたりすると、気分もさっぱりして快適に過ごせます。女性はメイク落としシートなどもあると便利です。
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5.到着の乾杯
登山後の一杯は、格別!お酒が好きな方は、夕食前に到着の乾杯を楽しみましょう。翌日も早朝行動する場合は、飲み過ぎに注意です。
飲み物やお菓子などを購入するときには、小銭があると支払いがスムーズです。
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6.お土産を物色
山小屋にはピンバッジや手ぬぐい、Tシャツなどのオリジナルグッズがあります。登山の思い出に、ひとついかがでしょうか。
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待ちに待った夕食
おいしそうな匂いが漂い、「夕食の準備が整いました」と声がかかりました。
シーズンや山小屋によりますが、夕食は17〜18時頃になります。混雑時には相席になることもありますが、同じ山好きのため交流も楽しいものです。
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山小屋では洗い物やゴミ処理も大変なため、なるべく残さずキレイに食べましょう。食器の返却を頼まれた場合は、お願いされたように片付けます。
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夕食後に流れる静かな時間
夕食後は談話スペースなどで本を読んだりお酒を飲んだり、外に出て星空を眺めたり、のんびりするのが山小屋の過ごし方。山小屋の本棚には、目を引くタイトルの本に出会うこともしばしばあります。
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準備をして、おやすみなさい…
歯磨きは洗面所で。歯磨き粉を使用する場合は、自然環境でも分解される歯磨き粉を使用します。水源が限られた山小屋も多いため、節水を心がけましょう。
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消灯。その前に
山小屋の消灯時間は、だいたい20〜21時です。翌朝が早い方もいるため、消灯時間は守りましょう。

消灯すると本当に真っ暗になるため、手の届く枕元にヘッドライトを準備。もしトイレに行きたくなった場合に備えておきます。眩しく感じにくい赤色に点灯する機能をもったヘッドライトが便利です。

ほとんどの山小屋にはコンセントがないため、モバイルバッテリーを備えて充電しましょう。
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チャンスがあれば朝焼けを
日の出の時間は早いですが、朝焼けに染まる山肌や雲海の美しさには、ただただ見とれるばかり。
起きるのは大変ですが、しっかり防寒対策をして、山小屋泊まりならではの景色を味わいたいものです。
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朝食を食べ、静かに準備を整えよう
朝食は決められた時間に、しっかり食べましょう。マナーは、夕食時と同じです。
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いよいよ出発のとき。時間によっては、まだ寝ている登山者もいるため、静かに準備します。荷物を小分けするときには、カサカサ音がするビニール袋よりも、ナイロン素材のスタッフバッグがおすすめです。
使った布団などはきれいにまとめて、山小屋のスタッフさんにあいさつをして出発しましょう。
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下りはケガに気を付けて
日帰り登山よりも装備が増えてバックパックが重いため、下山時には転倒などへのリスクに十分な注意が必要です。
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腰を落としてフラットフッティングを心掛け、リラックスしながら胸を張って歩きましょう。

無事に山を下りたら、登山アプリの下山通知や家族への下山連絡を忘れずに。
下りたらすぐ考えるのは、「次はどんな山に登ろう」でしょうか?
シーンに合わせたレイヤリング方法

「運動量が多い登り、気温が高くて暑いとき」
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吸汗速乾性の高いベースレイヤー
運動による体の熱を発散でき、行動中の汗を乾かします。汗で濡れたままになると、休憩中などに体が冷えるため、速乾性が低いコットン素材などのTシャツはおすすめできません。稜線での紫外線対策には長袖タイプも選択肢のひとつ。
「風が強い稜線で行動するとき」
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ウィンドシェルをサッと羽織る
通気性も備えたウィンドシェルならば、体温を奪う風を防ぎつつもムレを外に逃がしながら行動し続けられます。より気温が低い時は保温効果もあるアクティブインサレーションがおすすめです。
「雨が降ってきたとき」
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体やウェアを濡らさないように、レインウェアを着用
濡れると体が冷えてしまうため、雨粒を感じたら早めに着用すると安心です。 防水性と行動中のムレを排出できる透湿性に加え、防風性も備えたレインウェアは強く吹き付ける風にも対応できます。
「休憩中や山小屋で過ごすとき」
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効果的に体温を守る
軽くてコンパクトに携行できるダウンジャケットや、濡れても保温力をキープする化繊綿ジャケットがおすすめです。
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暖かい時や下山後の着替えに
小屋内が暖かい時や下山後には、肌触りの良いTシャツや薄手のパンツがおすすめです。

 原稿:大堀啓太(ハタケスタジオ)

 撮影:後藤武久