KENSHINEPO LOBO

Wearing Flower Logo Hoodie

自然からあずかる恵と知恵と技術

NYを拠点にヘアスタイリストとして活躍したKENSHINさん。日本に帰国し、何をするかと思って見ているとEPO LABOを渋谷区の富ヶ谷に作っていた。ここはヘアサロンでもあり、植物からエッセンシャルオイルを抽出するファクトリーでもあり、そしてそのエッセンシャルオイルを調香する研究施設でもある摩訶不思議な空間。

KENSHIN
KS
THE NORTH FACE
TNF

(TNF)

秋までは白きくらげを、現在はワイルドレタスの種子を、と訪ねるたびに変化するEPO LABO。ヘアスタイリストとして国内外関わらず第一線で活躍するKENSHINさんが、“植物”のどこに面白さを感じたんですか?

(KS)

あまりに面白すぎて、周りから心配されるぐらいハマっています。ヘアスタイリストという仕事では、ファッションでイメージを作りあげ、ものを売ることに促進するチームの一員としてずっとやってきました。

(TNF)

経済活動の循環の一環として、ものすごく刺激的な現場だと思います。

(KS)

それにアメリカという土地柄もあってか、趣味で山登りだとかトレイルランなど自然と触れ合う機会も多かったんですね。それを続けていると、もっと自分も自然や環境とかにコネクトしたいと思うことが増えていったんです。そんなときに、カリフォルニア州にある山の中で、蒸留しているおじさんに出会ったんですね。彼は野生の草花をその場で蒸留し、エッセンシャルオイルを精製し、それを売っていた。やっていることもかっこいいのですが、自然と一体化している姿に感動。この出来事をきっかけに植物の力に興味を持ちはじめ、そしてEPO LABOをはじめる決意をしました。

(TNF)

化粧品の成分表示を見ると確かに“アボカドエキス”や“ホホバ種子油”など、植物性のものが多いですよね?

(KS)

植物のエキスとかを効能として使うことは多いですね。結局植物の力って意外と薬効としてもすごい力があるんです。例えば柳という木がありますよね。昔は、その柳の樹皮を煎じて飲んでいたんです。何がすごいってその煎じ薬から発展して薬にしたのがアスピリンなんです。いわゆる頭痛薬などにも使われている痛み止めです。色々調べて行くと、薬の多くは、植物の効能の塩基配列を真似たものだったりするんですね。

(TNF)

僕らにとっての教科書のようなものなんですね。知恵の素というか……。

(KS)

植物は生き物としては大先輩ですよ。最近面白いなと思ったのが、ブナという木です。彼らは集団で生活する植物で、傷付いたりするとフィトンチッドと呼ばれる化学物質を放出し、傷ついた箇所に群がる微生物の活動を抑制していくんです。その上に根を伝ってその痛んだ木に栄養を分け与えたりし、再生させるのをみんなで手伝っていたり……。

(TNF)

そんなコミュニケーションが行われているなんて知らなかったです。

(KS)

こうした社会活動的なものが、動くもの以外で行われているんだって思うとリスペクトせざるを得ないですよね。それに30mも超える高さの木が根っこからどのようにして水を吸い上げているのかも、よく考えてみると不思議ですよね。

社会活動的なものが動くもの以外でも行われている

KENSHIN

(TNF)

興味深いですね。偶然にも今回KENSHINさんに着ていただいているフーディーもブナの木の繊維を使ったテンセル™モダールという天然素材を使って作られているんです。この生地を生産するレンチング社はオーストリアに拠点があり、その近隣諸国にブナの森がたくさんあるみたいで、それらの間伐材を含めて有効活用。この“間伐材”という言葉も乱用されがちですが、FSCとPEFCという持続可能な森林管理の促進を目指す森林認証制度を受けた場所から調達を徹底しているなど、徹底した管理のもと作られているんですね。

(KS)

なるほど。ブナの木が「森の女王」って呼ばれているのは知ってます? 生態系にものすごく重要な生物。なぜかというと、ブナの木に、5〜7年ぐらいの周期で実の豊凶を繰り返します。タンパク質や脂質が豊富なブナの実は、クマやイノシシなどの野生動物にとって、越冬するためにはものすごく貴重な栄養源とされている。そのサイクルを知っている動物たちは、出産をブナの実がなる周期に合わせていると聞いたことがあります。ブナの実があまりならないとなると、動物たちは山を降りて人間が住む生活圏に食べ物を探して来てしまう。それがたまに事件になってしまったり……。オーストリアの近隣諸国でブナの木が間伐されている理由もまた、ブナの実が増えすぎてしまうと、植物と動物のバランス関係がおかしくなってしまうのがあるのかもしれませんね。

(TNF)

植物社会とか動物社会とか分けてしまいがちですが、自然と動物と人間は密接に関係しているわけですね。

(KS)

意識はできていないにしろ、現実に起きていることを知ることが大切ですよね。

(TNF)

確かに、今の話を聞いていても、植物も動かない動物のようなものですね。動かないから何でもしていいわけではなく、きちんと生物として見ることが大切なのかもしれません。

(KS)

時間軸が違うんでね。すごく長く生きるものですし。例えばブリストル・コーンパインっていう木は5000年ぐらい生きて、進化を続けていることが分かっています。こうしたことを知ることで、森林伐採や環境破壊の見方も多少変わってくるといいですよね。自然は僕たちに“タダ”で彼らの恵みを分え与えれくれているわけですから。

KENSHINさんについてもっと知りたい場合はepolabo

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FLOWER LOGO HOODIE
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ザ・ノース・フェイスのブランドオリジンであるハーフドームロゴの上に刺繍したのは、ヨセミテ国立公園に咲くカリフォルニアポピー。Epo Laboで使われる植物の中にはKENSHINさんが自らフィールドワークをし、見つけてくるものもある。自然を相手に日々研究を続けるからこそ知る、天然繊維ならではの力をKENSHINさんは知っている。

CO2 Emissions Reduction

本プロダクトから削減できた二酸化炭素の排出量

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