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        THE NORTH FACEATHLETE

        ATHLETE

        ケイトリン・ガービン
        RUNNERS
        ケイトリン・ガービン
        KAYTLYN GERBIN

        ワシントン州イスサカ

        遺伝子編集されたヒト人工多能性幹細胞(hiPSCs)を心筋細胞に分化させ、その状態と挙動の研究。生物工学者のケイトリン・ガービンはこう語る。「平たく言えば、私のチームは、細胞の基本的なルール、つまり細胞がどのように・なぜ挙動するのかを理解するための研究をしています」とケイトリンは語る。

        初参加の100マイルレースですぐに優勝したケイトリンだが、距離を走ることに関してはあまり科学的ではないアプローチをとっている。まず第一に、彼女のコーチは自分自身だ。「自分の体の声に耳を傾け、自分のフィーリングに合わせていくことを学びました。私は自分をコントロール下に置いておきたいし、トレーニングをすることで、自分がさらに柔軟でいられると感じることができるのです。一生懸命働き続けてきたのは、ランニングとそれ以外の生活のバランスを取るため。ランニングは楽しみ続けるものであり、毎日終わらせなければならないタスクだとは考えていません」

        2017年、ケイトリンはシアトルのアレン・インスティテュート(Allen Institute)という非営利のバイオサイエンス研究組織で、世界規模の研究データを科学コミュニティ内に共有する幹細胞・遺伝子編集チームに参加。ワシントン大学で生物工学の博士号を取得するためにシアトルに移り住み、幹細胞由来の心筋細胞を用いた心臓再生医療のための細胞移植と組織工学を研究した。目の届くところに山が無いウィスコンシン州の小さな農村で育ったケイトリンは、北西部の変化に富んだ地形に魅了され、時間があればカスケード山脈を訪れた。「午前中は氷河のあるゴツゴツしたピークや火山の中を走り、午後には苔むした緑の森の中を走ることができるんです」

        ケイトリンとランニングの出会いは、ウィスコンシン大学マディソン校の「マラソンと距離走」という2単位の体育の授業だった。それまでの彼女は1時間以上走ったことがなかったという。「ランニングは私の新しい環境を探索する方法でした。自分の足で行けるのが良かったのです」その後スノーボードで怪我をしたため、それから大学を卒業するまでの2年間、ケイトリンはこの授業でマラソン完走を果たせなかった。この授業がなかったら、その後マラソンに挑戦することはなかっただろうと彼女は述懐する。

        大学院に通い始めると、彼女のランニングは研究室への往復の通勤がほとんどとなった。山でのランニングと冒険は、彼女が心身の健康を保つためのエスケープ。ケイトリンは登山、バックパッキング、バックカントリースキー、スプリットボードを楽しんだが、ことランニングに関してはシアトルの街中を出ることはなかった。ある時なぜ自分は山を走らないのだろうと思い、婚約者と一緒に2014年のベーカーレイク50kにエントリー。トレーニングのために、彼女たちはカスケード山脈に向かい、通常数日間かかる登山ルートを1日で走り、レースに備えた。

        レースはうまくいかなかった。前半の彼女はトレイルを快適に走り、他の選手と会話をしたりして、1分1分を楽しんいた。しかしレース後半には腹痛に襲われ、最後の15マイルは、途中で何度もピットストップをしながら歩いてゴールにたどり着いたのだった。2回目のレースとなった2015年のビーコンロック50Kで彼女は補給の摂り方に工夫を凝らした(1回目のパフォーマンスを妨げたチーズやソーセージ、キャンディーバーではなく、ジェルやその他の消化しやすい食べ物でエネルギーを補給した)。ケイトリンはこのレースで2位に入り、ロングディスタンスランへの適性を初めて示したのだった。"ただ走ること。長いレースでは、何があっても20数時間、ただ走るだけでいい」とケイトリンは言う。トレイルランニングを始めて3年目の彼女はスコーミッシュ 50/50に出場し、50マイルのレースで優勝。さらに翌日には50キロのレースでも優勝を遂げた。数週間後、彼女は初めての100マイルレースであるパイン・トゥ・パーム100に出場、優勝した。"あんな距離やこんなスピードで走れるはずがないと自分では考えていましたが、このレースで優勝したことで、自分に向いていることが証明されました」とケイトリン。

        彼女はより多くの経験を積み、より定期的に走るようになった。他のアクティビティを取り入れ始め、それは今日まで続いている。彼女によると、体力と筋力をつけるためには様々な方法があり、いたずらに距離を追い求めるためにボルケーノスキーを断念するつもりはないという。翌年、ケイトリンはレースに出場し、伝説のウェスタン・ステイツ100の出場権を獲得。トップ10に入った彼女は、その後2年間このイベントに出場を果たした。2017年から2018年にかけてゴールタイムを数時間以上伸ばし、順位も4位から2位まで上げたのだった。2018年のベア100では、彼女は女子コースの新記録を樹立し、総合表彰台を獲得。そして、初めてのヨーロッパでのウルトラレースとなった2018年トレイル世界選手権(スペイン)では、彼女は個人で10位に入り、USAチームの団体総合3位を獲得するのに貢献した。

        最近の彼女は100マイルレースを年に2回定期的に走るほか、いくつかの短距離レースにも出場している。昨年秋、ケイトリンとアレックス・ボルスクは、レーニア山を2回登頂し、距離およそ220km・標高差14,320mをカバーする壮大なレーニア・インフィニティ・ループを女性だけのチームとして初めて完走した。

        同時に、マルチスポーツの冒険も楽しんでいる(それはしばしば一日中続く苦しみでもあるが)。さらにFKTもその視野に入ってきた。ケイトリンの夢はUTMBに出場することだ。ザ・ノース・フェイスチームでは、彼女の幼少期のヒーローだった多くのアスリートたちとの交流や、製品開発を楽しんでいる。

        ランニングに科学的なアプローチを持ち込みたくない彼女だが、レースやロングランのたびに行っているトライ&エラーは、科学的なプロセスであることを認めている。「山岳地帯でのロングレースは、常に問題解決をしているようなもの。補給なのか、装備なのか、自 分への懐疑心なのか、いずれにせよ物事が悪い方向へ傾き出した時に、その状況を評価し、解決のための手段を持ち合わせているかを確認し、学んだことを次なるタフな状況に活かせるよう準備をしないといけないの」

        主な成績
        2020年
        トランス・グラン・カナリア 優勝
        ウェスタン・ステイツ100で3度のトップ10入り
        2017年
        ウェスタン・ステイツ100 4位
        2018年
        ウェスタン・ステイツ100 2位
        2019年
        ウェスタン・ステイツ100 6位
        2020年
        コースタル・チャレンジ(6日間のステージレース) 優勝
        2018年
        ベア100 優勝(新記録)
        2017年
        カスケード・クレスト100 優勝
        2016年
        パイン・トゥ・パーム100(初の100マイルレース) 優勝
        2018年
        トレイル世界選手権3位 アメリカチーム総合10位
        2016年
        スコーミッシュ 50/50 優勝
        2020年
        トランス・グラン・カナリア 2位
        2019年
        ウルトラ・トレイル・ワールド・ツアーランキング 2位
        2019年
        アレックス・ボルクとレーニア・インフィニティ・ループを完走(女性チーム初)