About  INSTINCT EXPLORER

例えば、クライミング。 彼らは誰よりも早く、誰よりも高く、 垂直に立つ壁を本能で登る。
例えば、冒険家。 彼らは、過酷な環境下であるにも関わらず、 まだ見ぬものを自分で見たい、
体験したいという理屈を超えた本能で身体を動かしている。

「INSTINCT EXPLORER」、 つまり本能で冒険する。 理屈ではない。
勝手に身体が動いてしまう。 そこに人らしさ、真の個性が宿る。

どこであろうが、いつだろうが、誰であろうが、 平等にある“本能”。
一度、後先考えず、利益・不利益考えず、 本能に従って見るのはどうだろう?

INSTINCT EXPLORERは、そんな冒険家を応援する。

INSTINCT EXPLORE HOODIE インスティンクトエクスプローラーフーディ

¥16,500 Tax In
Color :
  • Black
  • /
  • Navy
  • /
  • New Taupe
Size :
  • S
  • /
  • M
  • /
  • L
  • /
  • XL

Model Masaho Anotani

Height 175cm / wears Navy size M

SEND(送る)、JAM(詰め込む)、ROUTE(道筋を決める)というクライミング用語を背面に表現したウェア。原料は、日本環境設計によるリサイクルポリエステル(EXPLORE SOURCE)を使用。無縫製の立体的なシルエットによってパーカーならではの肩への負担も軽減され軽い着心地を実現。さらに廃棄ロスも少ない地球に優しいプロダクトとなっている。全3色展開。

INSTINCT EXPLORER

Episode 2

CHIT CHAT


アーティスト・安野谷昌穂さんとフライフィッシング

1991年兵庫県生まれ。京都精華大学でデザインを、オランダのヘリット・リートフェルト・アカデミーでファインアートを学び、現在は日本に拠点を置きながら国内外で活躍。森や川などの自然から制作のインスピレーションを受け、コラージュ、ドローイング、スプレーなど、多様な手法でプリミティブかつアブストラクトなイメージを描き出す。

安野谷さんのような抽象的な作風のアーティストにとって本能こそ、命みたいなところがあるのではないですか?

確かに本能のままに従って動くことは、自分の命綱みたいなものです。本能というものは、僕の中では衝動に近いかもしれません。アーティストといっても、絵描きや写真家、それに料理人など様々なアーティストがいて、多分どんなアーティストも衝動に駆られるものが目の前にあったら手を出さざるを得ないと思うんです。

衝動のままに描いた線や絵は、理屈では超えられないものなのですか?

超えられないですし、ものすごく貴重な体験です。その本能で描く感覚を一度知ってしまうと、もうそこを目指すしかない。常々あの時の“それ”を超えた体験をしたいと思っています。

どうこうすれば、本能って引き出せるものなんですか?

うまく言葉では表現できないのですが、何か思ったり、何か考えるちょっと前の身体の動きが近いんです。だけども「描いたぞ!」とか「動かしたぞ!」って少しでも脳で認識してしまうと本能から逸れて、余計なものがどんどん付いてきてしまう。

濁点がついて煩悩(ぼんのう)になる……みたいな。

だから僕も色々試しているんです。あえて書かない時間を作ったり。ペンを持って、紙の上に手を置いて寝てみたり。寝てる間に何か描けるかな……とか。目が覚めて紙を見ると、ひたすらインクが滲んだ作品ができていて(笑)。それに部屋を真っ暗闇にして描くこともしてみました。筆圧も自分が何を書いたのかも見えない状況だとどうなるんだろうとか……。だけどもなかなかうまくいかないです。

本能的な動きをした忘れられない瞬間はありますか?

僕はガス欠することが多いので、言い訳になってしまうんですけど、すぐに“インスピレーション探し”を理由に、釣りにいったり、山に登ったりしに行くんです。それで、つい先週の話なんですが、最高の感覚を覚えた出来事があって。山梨県の山奥にある渓流でフライフィッシングしていたときのことなんですが。初めて訪れた細い渓流で、フライをふってみたんです。その時、フライとリールをつなぐ蛍光色の釣り糸が完璧な線を描いて、フライの着水ポイントもここしかないと言えるような完璧な場所に。そこに“バクッ!”って、また完璧なタイミングで魚が食いついてきたんです。人生初の天然のイワナでした。その一連の動作は完璧なドローイング体験をしているようでした。釣った時の写真を友人に撮ってもらったんですが、ものすごく満足気な顔をしているんです。あの感覚はちょっと忘れられないですね。

どの瞬間に何が訪れるか分からないものですね。

登山家の人たちも前にすごい魅力的な山がありますって言われたら、登っちゃうと思うんです。僕の場合は、紙とペンが机の上に置かれていたら絶対描いちゃいます。じっとなんかしていられません。川があったら釣りしちゃうし、泳いじゃう。それがアート表現にどういう結果をもたらすかとかはあまり気にしていません。まずやってみる。まず味わってみる。それらの過程で体験したことが巡り巡って起爆剤となり、作品になっていく。そういう純粋な衝動とか本能に従った経験とか時間の蓄積は、自分の宝物だと思っています。その宝箱をパカっと開く度に、絵を描くことの手助けをしてくれる。口で言える部分は、本当にごく一部のことだと思うんですけどね。