Interview #02
インタビュー

What is Attachment
Question to find out its true identity.
愛着とは何かーその正体を探るインタビュー

KAVKA SHISHIDO シシド・カフカ (ミュージシャン)

ーこれまでのご経験の中で、「愛着」のある音について教えてください。日常の中で思い出す音や、 聞くだけで自身と見えない繋がりを感じる音についてお話をお聞きしたいです。

ポップロック、ポップパンクに分類されるものでしょうか。音楽の世界をはっきりと意識し、目指し始めた頃に、 よく聴き、よく演奏していた音楽のジャンルなので。街中で耳にした時、当時の事を思い出し、あの時代があったからこその今を感じる事が出来ます。

ーその「愛着」のある音に纏わる物語を教えてください。これまでのご経験の中で、 その音との繋がりを深めたきっかけになったお話をお聞きしたいです。

一時、その音を聴くことが出来なくなった時期があります。デビューして沢山の音楽に触れ、ミュージシャンと接し、様々な事を経験させてもらう中で、音を素直に楽しむ事が出来なくなってしまいました。仕事以外では音を近くに置かない、そんな日々でした。その中でも聴くとしたら、自分の音楽のツールでもなく、シシド・カフカの音楽ジャンルとも違う、ワールドミュージックや言語の分からない国の曲ばかり。ですが、2018年に単身ブエノスアイレスに留学した際、心身共に休む事が出来たのか、久し振りに素直に音を楽しんでいる自分が居たのです。それ以来、ポップロックやポップパンクも含め、色々な音楽を楽しめています。
昔よりももっと素直に、音と深く繋がれているように感じています。

ー音とつながりを感じるように、自身と深い繋がりを感じる、愛着のある物について教えてください。

もともともったいない病が激しく、そこから抜け出す為に、最近はいかにモノを手放すか、多くのモノではなく、どれだけ深く気に入った少ないモノ達と暮らすかに注力しているので、(とは言えまだまだモノの多い生活ですが)周りには新入りが増えているのですが...ひとつ挙げるとしたらCDでしょうか。データの時代なので、よくよく考えれば要らないモノなのかもしれませんが、どうにも手放せない。それは私が”CDを出す”という事に強く憧れを抱き、目標にしていた過去があるからかもしれません。曲順、曲間の秒数、ジャケットのデザイン、歌詞カードのデザイン、総てにそのアーティストの想いが詰まっている。そしてそこに私の今までの思い出も重なってくるので、愛着がありなかなか手放せません。

ー愛着があなたに与えてくれるもの(こと)について教えてください。愛着があるものや人によって、自分が幸せだと感じる体験などをお聞きしたいです。

それを疎ましく思わず立っていられる、“今”に感謝する気がします。
人生は総てに於いて選択の連続。誤った選択をしたと思い、過去を悔やんだ事も数多くありますが、それも含めて納得できる今を生きていられる事が幸せだと思います。とは言え私にもまだ胸の疼く過去があるので、その時に身近にあったモノや事に、愛着を抱ける日を早く迎えられるよう、この先を頑張って生きていきます。

KAVKA SHISHIDO シシド・カフカ (ミュージシャン)

中学時代を過ごしたアルゼンチンでドラムを始め、2012年「愛する覚悟」でCDデビュー。ドラムヴォーカルのスタイルを確立する。
2018年には単身でブエノスアイレスに渡り、パーカッション奏者サンティエゴ・バスケスに師事しサインシステム「Rhythm with Signs」を学ぶ。自身の主宰する「el tempo(エル・テンポ)」では、先日もブルーノートで公演を行うなど、精力的にLIVE活動を行っている。