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12:00
『道の駅かつやま』で
買い出しと昼食
「食材はなるべくご当地のものを使う」という河野さんファミリーは、キャンプ場の近所で買い出しをするのが定番。山梨県・西湖のほとりにある『キャンプビレッジGNOME』を目指したこの日は、『道の駅かつやま』に立ち寄ることに。地元の旬の野菜を見つつ、健児さんが手に取ったのはほうき草。彼が暮らす長野県でも馴染みのある植物で、地元の人は野生したものを刈って、まさにほうきとして使っているのだとか。買い物を済ませたら、併設のレストランで昼食。ここには、地元の地酒屋『糸力』の裏メニューから生まれた、イトリキカレーなる名物も。キーマ、インド、ビーフなど色んな味があって悩ましいが、1番人気はスパイスが効いたココナッツカレー。
14:00
キャンプ場に到着
設営と薪拾い
拠点は西湖が目の前に広がるスポットに決定。健児さんと妻の亜由美さんがテントを組み立てる中、子どもたちもペグの打ち込みや薪になる枝探しを手伝う。子どもたちにとっては、設営や薪拾いも立派なアクティビティだ。健児さんは、このタイミングでサップボードの準備も行う。普段からサップキャンプを提案している彼にとって、ボードは必需品。その空気入れに使うブロワーは、火おこしの際の送風機や撤収時の掃除機としても使えて便利。
16:00
子どもたちと
火おこし
焚き火は台の周りに石を積み、かまどを作るところから始まる。そして、強い火を作るためにまず大切なのが薪選び。「太い枝は割る手間があるから、細くて折りやすい枝を探そうと思いがちだけれど、長くて太いものもそのまま薪として使えます。斜めに立てて火にかけておけば、細い枝だけを焚べるよりも火が長く持つんです。一見使えなさそうな枝も燃料にすることで、キャンプ場の掃除にもなります」。こうして健児さんの手ほどきを受けながら、子どもたちも一緒に火おこし。
18:00
起こしたての火で
おやつのパン作り
夕食を作る間のおやつは、焚き火で焼いたソーセージパン。生地は小麦粉、バター、塩、砂糖だけを使って、健児さんがこねたもの。それをソーセージに巻き付けて焼くのは子どもたちの担当で、その様子はさながら粘土遊び。これも子どもたちを飽きさせない工夫の一つ。
20:00
ダッチオーブンが活躍する
時間勝負の夕食
子どもがいるキャンプでは、いかに料理の手間を省くかが肝心。二品同時に調理したり、余熱を利用したりと、一つの火元を効率よく活用する。この日はサラダ、アヒージョ、ローストビーフ、トマトスープパスタの4品で、土地や季節によって食材をアレンジするものの、ほとんどが健児さんお馴染みのメニュー。なかでもダッチオーブンで作ったスープは欠かせず、レシピは「ニンニクと魚介をオリーブオイルで炒めて水を注ぎ、野菜・ホールトマト・コンソメを入れたら、パスタを投入」と簡単。「なんでも放り込めるダッチオーブン料理は、食材を活かしやすいし楽。ただ、火が弱いと温まらないし、強すぎても具が焦げるから、火加減で味が決まるんです。そこが面白いところですね」。食後は焼きマシュマロとホットドリンクをお供に団欒。
22:00
子どもも大人も
家族みんなで就寝
子どもたちとともに大人も寝袋へ。キャンプ場の消灯時間が決まっていない場合は、このまま焚き火を続けることもある。「以前、長男が真剣に火を守っていたので話しかけずに見ていたら、朝の7時になっていたことがありました。強制はしないけれど、子どもたちが『やりたい』と言ったことは、やってもらうようにしています」
0:00
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4:00
6:00
日の出とともに
モーニングサップ
夜明け前。朝食作りをする健児さんは、家族より一足先に起床。この朝のひとときは1人を楽しむ時間でもあり、火を起こした後は淹れたてのコーヒーを持って目の前の西湖へ。日の出を眺めながらモーニングサップをして体を目覚めさせる。ボードの上でヨガをすることも。
8:00
定番メニューで
朝ご飯
起こし直した元気な火で健児さんが目玉焼きを焼いていると、その美味しそうな音につられるように家族も起床。ハムやチーズを挟んだホットサンドにスープとフルーツなど、一家の定番のメニューがテーブルに揃うと朝食がスタート。目玉焼きはフライパンのままで。
10:00
そのときどきで考えた
全力の遊びをする
夏のキャンプでは子どもたちもサップなどの水遊びをするという河野さんファミリー。一方、冬ではできることが限られるけれど、水切り遊びをしたり、木登りをしたり、大きな岩と岩の間を飛び越える挑戦をしてみたり……その環境にあるもので最大限に楽しむ工夫をする。
焚き火とともに、
シンプルに最大限楽しむ
訪れた土地の食材を活かしたキャンプ飯に、道具を使わない自然の中での遊び……その環境に身を任せて、そこにあるもので最大限に楽しむのが、河野健二さん一家のキャンプスタイル。「家でご飯を食べたり寝たりするより、自然環境に身を置いた方が子どもたちの感度は敏感になる。サバイバルとまではいかないけれど、彼らにはキャンプを通して生きていく術みたいなものを知ってもらいたいです」。だから、暮らしに必要な火のありがたさを学べる焚き火は、一家にとって欠かせないアクティビティ。「火を焚けば温かくなるということもわかるし、冬の焚き火は特にいいですね。自発的に薪を拾いに行ったり、焚べたり、キャンプに行くたびにできることが増えていて、成長を感じます。子どもたちがもう少し大きくなったら、最低限の食料を持って、釣りキャンプをするのもいいかなと思っているんです」。焚き火を心得ることが、その土地ならではのキャンプを楽しむ秘訣だったりする。
- Camper’s Profile
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スキーヤー
河野健児
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1983年、長野県野沢温泉村出身。幼少期にスキーを始め、スキークロスのワールドカップ選手として世界を転戦。レースを引退した現在は、地元の野沢温泉を拠点に、手作りのツリーハウスを生かしたキャンプや自然体験を提供する『nozawa green field』や、SUPツアーの開催、ヴェクターグライドのマーケティングマネージャーとしてスキーの開発にも携わる。野沢温泉観光協会会長。