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NATURE ACTIVE people #02

川添奈緒美(THE NORTH FACE+ トキハわさだ店スタッフ)

「NATURE ACTIVE」は、“日常生活と自然の境界線をなくしていく”をコンセプトに掲げた、新しいコレクション。地球環境に配慮した自然素材を使い、ファッション性も重視したアイテムを展開します。そんなブランドの世界観を体現する女性とは。大分県、THE NORTH FACE+ トキハわさだ店のショップスタッフとして勤務する川添奈緒美が、自然と親しむライフスタイルについて語ります。

仕事を終えて深夜から山頂を目指す理由 川添奈緒美さんの山の登り方は独特だ。他県の店舗に「大分県にお店の勤務後、そのまま山に入るスタッフがいる」と噂が広まるくらい、彼女にとって“朝駆け”をすることは生活の一部になっている。

「朝駆けは、九州独特の山の登り方です。九州の山は、本州と比べて低山が多く、熊もいないので山頂まで気軽に登りに行けるんです。仮眠を済ませて深夜3時頃にヘッドライトをして山に入ると、満天の星空の下、動物の鳴き声や気配を感じ、自然の中に身を置いていることを実感できます。静寂に圧倒されて緊張感もある中、自分の感覚がどんどん研ぎ澄まされていくのがわかるんです。空が明るくなって色鮮やかに変化していく経過と山頂から見る日の出も、ドラマチック。そんな山の虜になってしまい、仕事を終えてそのまま朝駆けすることが、私のスタイルになりました」

ようやく朝を迎え下山すると、登ってくる登山客の方々とすれちがう。「朝駆けしてきたの?」「もう登ってきたんだね」と声をかけあうのが、大分県らしいやり取りだ。下山後の大分名物の温泉とソフトクリームも外せない。気温が上がる夏が本番の朝駆け。秋は紅葉前線を追いかけ、冬は回数こそ減るが氷点下の山頂を目指すのだという。どの季節も、それぞれ見所があって決して飽きることはない。

ライフワークは自然に触れられる場を広めること 川添さんはショップスタッフ以外に、THE NORTH FACE が主催する『キッズネイチャースクール』でも活動しており、とてもやり甲斐を感じている。
「親子向けのイベントで、自然の中で自然の大切さを学ぶことを目的にしています。先日、『サンライズキャンプ』をしたばかり。参加者15名ほどでキャンプを行った後に、早朝から朝駆けをしました。いつも心がけていることは、参加者とスタッフの垣根を越えて、みんなで思い切り楽しむこと。プログラム
の内容は九州のスタッフで案を出し合って決めていますが、主催者側も楽しめないと続かないと思っています。私自身イベントが大好きなので、SNSで発信したり誰よりも楽しんでいます。全員が心から関わってよかったと思えたら最高ですね」

由布岳
〈Nature Active〉をまとって登山口近くを歩く
休暇で訪れた宿泊施設B・B・C長湯で
併設された図書館には山関連の本が並ぶ

参加者のなかには小学校低学年からずっと参加しているご家族も。お子さんが中学生になるため最後となる回でも完走してくれたときは、嬉しくて涙が溢れた。他にもスクールをきっかけに、ご家族で朝駆けをしたという話を聞くことも少なくない。スクール参加後も山に興味を持ち続けてもらえることが、活動の原動力となり励みになるのだという。

「前職は医療事務の仕事をしていました。職場の先輩に誘ってもらった登山で山が大好きになったんです。それまでは、休日の楽しみはドライブやいわゆる観光地への遠出。でも、山に目覚めてからは、止めどなく変化して色々な表情を見せる自然の方が断然面白くて。自らマインドチェンジを経験しているので、多くの方にちょっとでも足を伸ばして身近な自然に目を向けてもらえたら」

ともに働き、山も一緒に味わう仲間たち 毎年秋は、九州エリアの女性スタッフとの登山が恒例行事。福岡と長崎と鹿児島から、県をまたいでくじゅう連山に4、5名が集結する。
「みんな、それぞれ登山をしている精鋭部隊(笑)。坊ガツルというテント場を拠点に、二泊三日で様々な山を登ります。夜はみんなで近くの法華院温泉山荘へ、温泉に入りに行きます。仕事がきっかけで山の仲間ができたのは、本当に嬉しいですね。登った山の情報交換も盛んに行い、いつも会えるのを心待ちにしているんです」
初日はテントを張ったら早めに夕食を準備し、ゆっくり過ごす。鍋を囲んでお酒を飲むのも楽しみのひとつだ。しかし、3時には起きて朝駆けをする。
「下山したら、テント場で山を振り返りながら朝ごはんを食べるのも好きな瞬間。中には、その後アタックザックを背負って他の山に登る人も。九州には、アクティブな女性が集まっているなと毎回思いますね。元気で豪快、大食い揃いなんです(笑)」

山の存在が、川添さんの日常生活と自然をシームレスに媒介し、多くの人を巻き込んでいく。最後に、これからもたくさんの人に山の面白さを伝えていきたいと語った。

▼記事に登場した “日常生活と自然の境界線をなくしていく” をコンセプトに掲げたコレクション